2020.11.06 【ヘッドホン&イヤホン特集】完全ワイヤレス製品、絶好調
写真1 スポーツなど用途に特化した完全ワイヤレス製品も登場している
オーディオ製品が世界中で好調を極める。巣ごもり需要が追風となり、4Kテレビやホームシアター用AVアンプ、Hi-Fi製品が伸長。スマートフォンやAV機器とブルートゥース(BT)で無線接続機能を持つワイヤレスヘッドホン/イヤホンも堅調に推移する。完全ワイヤレス製品は絶好調だ。
BTイヤホン市場25年に2.7倍
統計数字にも、BTイヤホンの好調さは表れている。
IDCが9月に発表した世界のウエアラブル市場調査によれば、20年第2四半期の出荷数は8620万台で前年同期比14.1%の増。耳装着型ヒアラブルデバイスのイヤホン/ヘッドホンは5201万台で同32.6%増加。ウエアラブル市場の60.4%を占めたと報告している。
富士キメラ総研5月発表の〝2020ワールドワイドエレクトロニクス市場調査〟ではBTイヤホン/ヘッドホンの19年総出荷量は2億1000万台、25年には2.7倍の5億7100万台に達すると予測している。「ハンズフリー通話、生体情報モニタリング、同時通訳機能などが付加された製品の需要増で市場は急拡大していく」と予測している。
国内市場は、16年末に発売されたアップルの〝AirPods〟に代表される左右独立で、耳穴挿入型〝完全ワイヤレスイヤホン〟が伸びている。BCNが9月に発表したリポートでは、7月の販売台数は前年同月比31.9%増。「2桁成長を続けており、ノイズキャンセル機能付き新製品発売が追い風になっている」とみている。
用途別製品も拡充されていて、スポーツ用に開発された製品も人気が高い(写真1)。
携帯通話やリモート会議用のツールとしても利用されており、ソーシャルディスタンスが確保できる新しいコミュニケーションツールとしての用途も開拓している。
性能・機能・使いやすさも大きく向上
完全ワイヤレスイヤホンの価格は下がり、数千円で購入できるようになった。参入メーカーや製品数も増えている。
今は幅広い年代層に浸透し、メーカー間の開発競争も激化。音質やノイズキャンセル性能のほかに装着感、電車内などBTラッシュ空間での混信音切れ抑制、電話通話快適性などが差別化のポイントになっている。
本体だけでなく、収納ケース兼充電装置も進化している(写真2)。ワイヤレスで小型化され、持ち運びやすい形状や収納性といった点にも気が配られている。
ワイヤード型でもイノベーションが進み、JVCケンウッドはスピーカで聴いているような効果を実現したマルチチャンネル7.1.4ch立体音響対応の製品を開発してホームシアターの可能性を拡げている。
ヘッドホン/イヤホン市場は、年末需要でさらに伸びると期待されている。