2020.11.06 【ヘッドホン&イヤホン特集】JVCケンウッドワイヤレスシアターヘッドホンシステム
「XP-EXT1」
JVCケンウッドは、8月からビクターブランドで発売したワイヤレスシアターヘッドホンシステムを本格展開していく。独自の頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」により、ヘッドホンでもホームシアターのスピーカで聴いているような音場を再現できる。「ドルビーアトモス」などの立体音響にも対応しており、自宅で映画館やライブ会場にいるような体験ができる。
発売したワイヤレスシアターヘッドホンシステム「XP-EXT1」はエクソフィールドを搭載したことで、ヘッドホンでありながら外に置いたスピーカシステムから音源を聴いているような体験ができる。
一般的にスピーカから音が出ていれば頭の外の前方から聴こえてくる。逆にヘッドホンであれば耳から直接音が入るため頭内に音場がつくられる。これを独自の技術により頭内で聴こえる音を頭外で聴こえているように処理をするのがエクソフィールドだ。
音の聴こえ方は耳や頭の形、大きさによって個人差がある。エクソフィールドでは個々人の音の伝わり方の特性を正確に測定し、それぞれに合った頭外での音場空間をつくる。17年に発表後は専用に測定する音場特性カスタムサービスを展開してきた。ただ測定に専用の設備が必要なことから、誰でも簡単には利用できなかった。
新製品では専用のスマホアプリとヘッドホンシステムを開発したことで、個人特性の測定を自宅で簡単に行えるようにしている。さらに従来のステレオ2chではなく「ドルビーアトモス」や「DTS:X」といった立体音響に対応し7.1.4chの本格的なサラウンドを実現した。
これまでのサービスで蓄積してきた膨大なデータから、個人特性にあった最適なデータを生成することで誰でも頭外定位の音場が楽しめる。データは4人まで記録可能。「静かな場所できちんと測定することで精度が高まる」(同社)という。
新製品の市場想定価格は10万円前後(税別)。高額商品でありながら発売後から高い反響があり「ボヘミアン・ラプソディ」とデモ体験ディスクを同梱した初回生産限定モデルは、全数出荷済みとなっている。「コロナ禍で、自宅で映画などを視聴する人が増えてきているため新たなシアターシステムとして提案していく」(同社)としている。