2020.12.03 2Q太陽電池出荷、軒並み前年割れコロナ禍余波の可能性、小設備で顕著

 太陽電池出荷統計の20年度第2四半期(20年7-9月)の結果がまとまり、太陽光発電協会が公表した。モジュールの総出荷量が、前年同期(19年7-9月)比78%となるなど、軒並み各項目が前年同期割れとなった。国の制度変更に加え、新型コロナ感染拡大による経済活動の縮小などの影響が表れてきた可能性がある。

 国内に拠点がある34社に協力を依頼し、27社から回答を得た。

 太陽電池モジュールの総出荷量は1342MWで、前年同期比78%。うち国内出荷量は1276MWで同78%、海外出荷も66MWで同63%と、いずれも減少した。

 総出荷量のうち、日本企業が出荷したのは554MWで同65%。外国企業は788MWで同89%だった。日本企業と外国企業の出荷量比率は41対59となった。

 モジュールの国内出荷量(1276MW)を用途別にみると、住宅用が219MWで同82%。全体の大半を占める非住宅は1057MWで同78%と大幅に減少した。

 さらに非住宅のうち、売電を主目的とした出力500kW以上の大規模装置の発電事業用が749MWで同85%だった。それに対し、オフィスや工場、病院、公共施設などに設置する500kW未満の一般事業用は308MWで同65%にまで減少し、低調ぶりが鮮明に表れた。

 20年4月から、10kW以上50kW未満の低圧設備について、国の再生可能エネルギー固定買い取り制度(FIT)の認定を受けるには、30%以上の自家消費が条件になった。同協会は「低圧設備の建設が大幅に減っている影響が出ているのは明確だ」と説明する。

 日本企業だけの動向として、用途別の国内出荷量をみても、住宅(同79%)や発電事業(同68%)と比べて、一般事業(同49%)では半減する結果となっており、落ち込み程度が激しい。発電事業と一般事業を加えた非住宅では同比61%だった。

 同協会は「大半の項目の落ち込みは、まだ想定される下振れの範囲内にとどまっており、明確な要因は不明だ」とし、「トレンドを見極める必要があり、次の四半期の動向を注視したい」と話している。