2020.12.22 【PR】カシオ計算機、アンドロイド搭載 ハンディターミナル、フルラインアップで展開

アンドロイド搭載ハンディターミナルで攻勢をかける(小森部長〈左〉と山根室長)

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あらゆる現場に対応できるハイエンド機あらゆる現場に対応できるハイエンド機

背面に独自デバイスが取り付けられる背面に独自デバイスが取り付けられる

 カシオ計算機は、ハンディターミナルのOS(基本ソフト)にいち早くグーグルのアンドロイドを採用し、グーグルプラットフォーム搭載機では国内メーカートップクラスの製品群を誇る。これまでウインドウズOSが主流だったハンディターミナルだが、ウインドウズのサポート終了が迫っていること、様々なモバイルアプリケーションとの親和性が高いことなどから、アンドロイド端末への関心が高まってきている。高性能機から入門機までアンドロイド端末を幅広くそろえるカシオの製品戦略を追う。

 ハンディターミナルは、物流現場や倉庫、小売店舗、医療など様々な現場で使われる、バーコードの読み取りなどが素早くできる専用端末だ。一般的に読み取りやすさや現場作業の効率化などの観点から、物流や倉庫などではグリップタイプが主流で、小売店舗などでは大画面タッチパネルを搭載したスマートフォン(スマホ)のようなPDAタイプが使われることが多い。

 業務用端末はハンディターミナルのような専用端末が好まれる半面で、一部の業種ではスマホを活用するケースが増えてきている。事業戦略本部システムBUの小森主税戦略部長は「国内のハンディターミナル市場は横ばいで、専用端末に対する底堅い需要がある」とみる。

 専用端末の強みは防じん、防水、堅ろう性を備えているほか、バーコードの読み取りなど業務用途に特化した処理機能が付くことだ。業務用のシステムと連携するため、OSなどの長期間のサポートも不可欠になる。こうした長期サポートの観点からも、OSのバージョンアップが頻繁に進むアンドロイドではなく長期サポートをするウインドウズが好まれてきた。

 一方で業務を取り巻く環境はどうだろうか-。店舗業務などは接客支援の端末としても利用されるためスマホを採用する企業が出てきているほか、一部の業種でもスマホを採用する動きがある。

 山根一快PA戦略室長は「地図アプリケーションを活用する動きやWebアプリケーション対応などを進める動きがあり、専用端末よりもスマホの方が使い勝手が良いという声も増えている」と話す。

 この状況を踏まえ、いち早くカシオが踏みだしたのはアンドロイドOSの採用だ。専用端末の良さとアンドロイドの汎用性を両立させることで、スマホで代用される業務領域でもハンディターミナルを有効活用できるようにした。

 ただアンドロイドにはOSの長期サポートの問題がある。小森部長は「当社側の支援体制によりアンドロイドOSを長期サポートし、お客さまが長期にわたりシステム運用できるようにした」という。

 同社のアンドロイド搭載ハンディターミナルは、端末を長期発売し続けるとともにOSバージョンを固定(あるいは使用期間中に1度のバージョンアップ)し、業務システム連携と長期品質保証、最新アプリの適用を全て満たせるようにした。

 「スマホはすぐに壊れてしまうという理由でハンディターミナルに戻ってくる企業もある」とは小森部長。スマホユーザーから戻りやすいようにスマホのような大画面、薄型形状にスキャナを搭載したライトユースモデルも用意している。

 さらにこのほど、大画面と高性能CPUを搭載したPDAタイプのフラグシップモデルを発売した。堅ろう性を備えながら大画面タッチパネルを採用。バーコードの読み取り機能だけでなく画像認識など、幅広い認識に対応している。端末の背面には拡張インターフェイスを搭載し「温度センサーなどのセンサーモジュールやRFID(無線ICタグ)の読み取り機能も実装できる」(山根室長)。

 アンドロイド対応しているため、様々なアプリが使える。接客端末からバーコード読み取り、音声通話ができるインカムまで1台で全ての業務に対応できるようになる。小森部長は「小売り、流通の現場はもちろんのこと、運輸物流や倉庫、医療現場など幅広い領域で利用できるため、積極的に提案をしていきたい」と話す。

 販売は端末単体だけではなく、システム構築なども含めたワンストップでの導入支援もする。業務パッケージシステムベンダーやミドルウエアベンダー、IoTなどを手がけるベンダーなどとのパートナー連携も進む。

 2年前にはパートナー会「WithC」を発足。現在約70社のパートナーとともに提案をしている。小森部長は「今後は拡張インターフェイスを活用したシステムと端末の提案ができるパートナーなども増やしていきたい」と話している。

 フラグシップモデル投入

 7月から順次発売を始めたアンドロイドプラットフォームを採用したPDAタイプのハンディターミナル「IT-G600/IT-G650」は大画面で高性能CPUを搭載したフラグシップモデルになる。テンキーを備えたG600と全画面タイプのG650は、これまでのハンディターミナル開発のノウハウがつぎ込まれており、様々な現場の業務を支援できる。

 OSにはアンドロイド9を採用。アンドロイド対応の業務システムに加え、グーグルの各種サービスも利用できる。地図による訪問先の確認や、Gmailを使った業務報告書の送付なども簡単。ワイヤレスWAN内蔵機であれば、配達員や保守メンテナンスなど屋外での業務でもリアルタイム処理が可能だ。

 端末は通常のバーコードはもちろんのこと、かすれや汚れによるダメージバーコードの読み取りができるスキャナを搭載。25度と60度から選べるため、「運輸物流業者などからも高い評価を頂けるはず」(小森部長)とみる。

 背面にはセンサーなどのモジュールが取り付けられる拡張インターフェイスを搭載しているため、使い勝手の良い専用端末に仕立てられる。