2020.12.29 積み木やブロックのように蓄電池を自由に増設新電力・ループの「エネブロック」

エネブロックの蓄電池

エネブロックのDCコントローラエネブロックのDCコントローラ

 新電力のLooop(ループ、東京都台東区)は、太陽光パネルの発電量などに応じて容量を細かく増設できる新型蓄電池システム「エネブロック」を販売している。1台のサイズを小型化し、屋内でも十分に設置できる仕組みになっている。

 従来の蓄電池は固定されているタイプが多く、太陽光発電設備の容量に対して、蓄電池容量が過剰だったり不足したりするケースがあった。

 蓄電池を積み木やブロックのように積み重ねられることから名付けられたエネブロックは、1台の蓄電容量が2.4kWh。最大6台、14.4kWhまで連結可能だ。

 購入時だけでなく、一度取り付けた後でも、大掛かりな追加工事なしで増設できる。

 同社によると、増設できる製品はほかにもあるが、1台だけに限られるケースが多いという。小容量を用途に合わせて簡単に増設しカスタマイズできるのが、エネブロックの最大の特徴となっている。

 エネブロックは縦9×横44×奥行き41センチメートルのコンパクトサイズ。同社従来品よりも7割減の小型化を実現した。重さは1台24キログラム程度。

 稼働時の温度上昇を数度程度に抑えているため、通常は屋外に設置していた蓄電池システムを、屋内のクローゼット内などにも設置できる。気温の影響を受けにくくなるほか、沿岸部では塩害などの被害も受けずに済むため、これまで導入が難しかった地域でも設置可能だ。天井裏などの高い場所に据え置けば、水害時などに水没するリスクも低くなる。さらに、自宅のWi-Fiに接続すれば、スマートフォンのアプリから発電や充電、放電の状況をリアルタイムで確認可能。夜間の電力使用量や、蓄電池に充電・放電した電力量や時間なども細かく分かる。

 同社は再生可能エネルギーの普及を促進するため、17年4月に蓄電池「Looopでんち」の販売を開始した。エネブロックの投入には「売電単価が下がっており、発電した電気を売るよりも、蓄電池を導入して自家消費した方が経済的メリットが大きくなる」(デジタルマーケティング部)ことなどが背景にあるという。

 「コンパクトさを生かし、広さが限られている都市部の住宅などに販売したい」(同部)としている。