2021.01.22 【照明総合特集】トップが語る21年事業戦略NVCライティングジャパン 齋藤 重雄社長

齋藤 社長

独自製品の投入で裾野広げる

海外展開製品 日本向けに改良も視野

 昨年は、新型コロナウイルスの影響でLEDシーリングライト2機種を新製品として発売するにとどまった。LED電球で新製品を発売できておらず、今年は電球でも新製品を発売していく予定だ。

 昨年発売したLEDシーリングライトは、薄型でデザイン性も高い導光板タイプと、価格を抑えて若年層にカジュアルに利用してもらうことを狙ったスピーカ搭載タイプの2機種だ。発売開始以来、2機種とも想定以上に販売が伸びており、手応えを感じている。

 東芝ブランドで住宅用LEDシーリングライトとLED電球を発売した19年は、事業の土台づくりを重視してきた。新製品の投入などの効果もあって、20年にはシーリングライトでシェアを拡大することができた。今年は、築いた土台を維持しながら、さらに強固にして販売増につなげていく。

 昨年発売したスピーカ搭載モデルは、価格が1万円台と購入しやすいこともあり、販路の広がりに貢献している。こうした販売の裾野を広げる独自製品を今年は投入するとともに、NVCグループとして開発・生産の強みを生かした展開を図る。海外展開している製品を、日本向けに改良して発売することも視野に入れている。

 国内の照明市場は、右肩上がりの状況ではない。市場全体の中でどこを攻め、どうやって収益を上げるかを考えていかなければならない。

 現状では家電量販店が主な販路となっているが、製品ラインアップが増えていることから販路拡大に向けた〝兆し〟が見えてきた。収益とのバランスを取りながら展開していきたい。

 照明のIoT対応も検討課題になる。中国本社は積極的にIoTに取り組んでいるため、技術はある。ただ、日本国内のお客さまのニーズに合うかどうかの見極めが必要になる。日本で求められる価格とスペックを両立しながら、新たな分野への製品展開を模索していく。

 日本でビジネスを始めた当初は、日本市場の特性を本社に理解してもらうのに苦労した。しかし、日本の意見を伝え続けたことによって、日本のカルチャーを理解してもらえるようになったと感じている。

 今年は、ウィズコロナの中でも本社との連携を行いながら、発売したいタイミングで新製品をリリースして、さらに販売を拡大していきたい。