2021.04.27 【テレビ特集】外出自粛要請など追い風に
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛要請は、国内テレビ市場にとって追い風になっている。大画面で高精細な4Kテレビの販売に加え、寝室や子ども部屋などに設置する中小型テレビも堅調だ。主要テレビメーカーも続々と2021年モデルを発表しており、夏商戦に向けて弾みがつきそうだ。
テレビの出荷はコロナ禍でも好調だ。電子情報技術産業協会(JEITA)の出荷統計では、薄型テレビ全体の出荷は20年4月以降12カ月連続で前年同期比増となっており、4K液晶、4K有機ELともに2桁成長が続いている。
このほど発表した21年3月の実績でも4Kテレビは同28.7%増、有機ELは同47.3%増と大きく伸びた。4Kテレビの出荷金額は391億円となり、薄型テレビ全体に占める割合は81.4%までになった。
11年のアナログ放送停波、エコポイント終了に伴い購入した液晶テレビや、プラズマテレビの買い替えが本格的に始まっていることも後押ししている。テレビの買い替えサイクルが10年程度(内閣府調査)になっていることを見ても、今年は多くのテレビが買い替えサイクルになっていることが分かる。
主要テレビメーカー各社は現在、高画質化と高音質化、スマート化に注力した開発を進めている。特に高画質化に向けては画像処理エンジンが強化されており、人工知能(AI)を活用した処理を進める機種も多い。音質面では各社ともスピーカーの配置と、デジタル処理技術に磨きをかけ、薄型テレビでは苦手とされていた中低音の厚みとクリアな高音を両立させようとしている。音づくりも各社で特徴が出てきている。
最近のテレビの傾向では地上波などの放送だけでなく、インターネット動画配信への対応を進めるところが多い。リモコンですぐにネット動画に接続する機能が増えているほか、ネット動画でも高画質に楽しめる映像処理をする機種も拡大している。
25日からは東京、大阪など4都府県で3度目となる緊急事態宣言が始まった。引き続き巣ごもりが求められるようになり、テレビなどの家庭内で楽しめるエンターテインメント機器への需要はさらに伸びてくるとみられる。各社から新製品も投入されることから、買い替えや買い増しの提案を早期に進めていくことが求められる。
パナソニックの主力製品
家庭で上質なエンタメ楽しむ「4Kビエラ」機種拡充
パナソニックは、在宅時間が増加し、家庭で上質なエンターテインメントを楽しみたいとするニーズに、高画質・高音質の「4Kビエラ」(有機EL/液晶テレビ)でニーズに応える。
4Kビエラ21年モデルのフラッグシップモデルが、今月23日に発売した大画面ハイエンドモデル4K液晶ビエラJX950シリーズ(65V型/55V型、75V型は6月25日発売)、5月21日発売予定の4K有機ELビエラJZ2000シリーズ(65V型/55V型)となる。
共に映像処理回路を一新し、人工知能(AI)技術により自動で最適な画質/音質に調整する新技術を搭載する。放送や映画など100万を超える映像のシーンから構成される学習用データベースを、ディープラーニングを活用したAIが学習し、シーン認識アルゴリズムを生成。シーンに応じて画質・音質を自動で最適化する「オートAI画質」「オートAI音質」を搭載する。
これにより、ユーザーはコンテンツに応じて画質/音質調整をすることなく、自動で最適な画質/音質で楽しむことができる。
4K液晶ビエラJX950シリーズには、輝度とデザイン性を高めた独自設計のプレミアム液晶ディスプレーを採用。バックライトを強化するとともに、ディスプレー内部の部材構成を最適化し、自社工場で高精度に組み上げ搭載し、液晶ビエラ史上最高クラスの高輝度、高コントラストな映像と、薄型・フラット構造によるスタイリッシュなデザインを実現した。
音質面ではテレビ背面上部に上向きに配置した「イネーブルドスピーカー」を搭載、立体音響が楽しめる。
4K有機ELビエラJZ2000シリーズは、明部から暗部まで高コントラストを実現する独自設計・組み立ての有機ELディスプレー「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」を搭載。「Dot Contrast パネルコントローラーPro」により、パネルの性能を最大限引き出す。
音質面では上からも横からも映像を超えて音が迫るイネーブルド&ワイドスピーカー(音声実用最大出力125W)を搭載する。
液晶/有機ELハイエンドモデルは共に転倒防止スタンド、スイーベル(首ふり)機能を採用。また、最新ゲーム機にも採用されるHDMI2.1規格の4K120p入力に加えて、映像の入力から表示までの遅延を抑え、より快適なゲーム体験を実現した「ゲームモード エクストリーム」も新たに搭載する。