2021.05.31 TEDがロボットセンター開設顧客のビジョンロボットシステム導入支援

TEDが開設したロボットセンター

TRCのビジョンロボットシステム「TriMath」の実演TRCのビジョンロボットシステム「TriMath」の実演

 東京エレクトロンデバイス(TED)は、不定形物のピッキング・仕分け作業用ビジョンロボットシステム「TriMath」の開発、実演を行うロボット施設「東京エレクトロンデバイス ロボットセンター(TRC)」を同社都筑エンジニアリングセンター(横浜市都筑区)内に開設、6月1日から本格運用する。

 TriMathは、光学機器と同社独自の画像処理・AI(人工知能)技術「TriMathビジョン」をコアに、ロボット、ハンド、システム制御を連携させた作業ロボットシステム。

 TriMathビジョンにより、製造・物流現場で従来困難であった多種多様な不定形・不規則形状物の柔軟な搬送・仕分け作業を可能にする。

 対象物と現場業務に合わせて、あらかじめ用意されている「ピッキング」「認識・計測・検査」「仕分け」の三つの動作から必要な機能を組み合わせて一つの作業を簡単に構築できる。

 現場単位で設計・統合しなければならなかった作業を大幅に削減し、素早い導入と効率的なシステム運用を実現する。

 TRCは、TriMathでさまざまな不定形物を想定したピッキングや仕分け作業の実演を行う「デモレシピ」や、高品質な作業自動化のコアになるビジョン技術の解説を行う「TriMathビジョン講座」、顧客の現場課題の相談を受けて解決策を提案する「ビジョンロボット相談サロン」を提供する。同ビジョンロボットを活用するための導入前の検討から導入後のサポートまでトータルで検証できる施設として運用する。

 購入する前に具体的にどの工程で活用し、どのようにピッキング・仕分け作業を行っていけるのかの検討が可能になり、顧客の抱える課題を解決する場としてTRCを活用できる。ウェブ会議形式でのデモンストレーションの実演にも対応しており、多様な形態で利用が可能。

 同社は「技術商社機能を持つメーカー」として、EC事業(半導体・電子デバイス)、CN事業(コンピューターシステム)の2本柱で事業を展開。EC事業の一環でメーカー機能として、PB事業(自社ブランド)を推進している。

 メーカー機能を強化するために、電子機器の開発・設計・製造・販売を行うアバール長崎(長崎県諫早市、現在のTED長崎)、FA向け画像処理装置やロボットビジョン、生産ラインの検査工程自動化装置などを開発・製造・販売するファースト(神奈川県大和市)を既に子会社化。この2社のM&Aに、従来の自社ブランド「インレビアム」を加えた事業の拡大を進めている。TriMathはインレビアム製品の一つになる。

 このほか、化合物半導体ウエハー表面の欠陥を高速、高感度で検出するマクロ検査装置「RAYSENS」などの製品を順次、拡充している。