2021.07.02 【家電総合特集】富士通ゼネラル中川陽介経営執行役常務

エアコン需要の獲得が重要
ユーザー目線など3つ取り組む

 昨年は、猛暑や特別定額給付金、巣ごもり需要が影響し、エアコンの販売実績が上積みされた。

 業界では5、6月は天候の影響もあり前年には届いていないが、直近の週は2019年を上回る販売実績となった。ここ数年6~8月は、200万台程度が販売されており、エアコン需要をいかに獲得していくかが重要。「ユーザー目線」「修理を行うパートナーや設置、販売をしていただく方との連携」「寒冷地対策」の3点を大切に取り組んでいく。

 小型でデザイン性にも優れたSVシリーズ、ハイスペック機能とデザイン性を兼ね備えるZシリーズ、最高級機種のXシリーズと、「ノクリア」の各シリーズは製品特長がはっきりしており、多様化する需要に応えられる充実のラインアップとなっている。中でも、SVシリーズのサイズは「この機種が設置できなければ、ほかのどの製品も設置はできない」と自信をもって紹介ができる。訴求ポイントの分かりやすさが販売に直結している。省エネや安心、安全という製品のベースは必須で、いかに付加価値を与えアピールするか。お客さまの立場に立ち、さまざまな使い方に対応するラインアップを拡充していく。

 どれだけお客さまに受け入れられる製品でも、修理などを行うパートナーが作業しにくいものでは広い展開は見込めない。これまでも「まとめて下部のカバーを取り外せた方が作業しやすい」など現場ならではの意見を反映してきた。展示しやすいよう、販促キットにもこだわっている。デザイン性を大切にした製品には落ち着いた印象のPOPを制作したほか、室内機と合わせてリモコンを展示できるように、リモコンホルダーも準備した。操作性を店頭で確認でき、購入後の使用イメージを描きやすいように工夫した。

 近年、エアコンは全国的に普及拡大しているが、寒冷地ではエアコン市場全体の2%程度にとどまっている。16年度と比較すると2倍まで伸びており、当社では20年度は前年比で2桁伸長となった。市場規模は確実に成長し、シェアも伸びている。エアコンは冷房のイメージが強いが、暖房にも有効な製品であることをアピールする。昨年同様、8月末から寒冷地向けテレビCMの放映を予定。

 温室効果ガスの排出量削減や社会課題解決に大きく貢献する製品やサービスをサステナブル・プロダクト(サスプロ)に認定する独自制度の開始など、サステナブル経営への取り組みも強化している。化石燃料による暖房機器からの置き換えを促進して日本の暖房文化を変えていくことを使命に、寒冷地エアコンにも力を入れていく。

 半導体不足は周知の通り。当社も影響を受けている。販売店さまに極力ご迷惑をかけないよう連携を図る。

 新型コロナウイルス感染予防対策に努め、店舗での販促イベントも昨年度の110%を計画。新製品についても、ユーザー需要に丁寧に応えながら、地球環境にもやさしい取り組みを続ける。