2021.07.09 【家電流通総合戦略】21後半戦 わが社の家電流通戦略 シャープマーケティングジャパン
宮永 副社長
製品の魅力を伝える
シャープは、コロナ禍で新しい生活様式が定着する中、家電に求められる機能やサービスが急速に変化することに対応し、迅速で柔軟な対応を図っていく。「コロナ禍でも当社製品の魅力を効果的に伝えていく」(シャープマーケティングジャパン・宮永良一副社長兼ホームソリューション社社長)考えだ。
2020年度は、コロナ禍での清潔意識の高まりと〝巣ごもり生活〟に対応した高機能な家電製品へのニーズの高まりから、家電業界全体は好調に推移した。
「21年度上期の前半については、都市部を中心とした緊急事態宣言の再発令に伴う影響はあったものの、引き続き巣ごもり需要の継続が見られ、高付加価値商品の販売は堅調に推移した」(宮永副社長)という。
一方、ニューノーマル(新しい日常)の定着により家電に求められる機能やサービスなども急速に変化しており、より柔軟な対応が求められている。
プラズマクラスター商品群健闘
「20年度の当社は、空気環境改善のニーズに迅速に対応できたため、空気清浄機で業界を上回る金額伸長を達成できた。また、家庭向けだけでなく法人向けの需要も拡大しており、公共機関や教育機関からの引き合いも増えている」(宮永副社長)と手応えを感じている。
今期も好調な販売を継続するため、今年6月には人気芸人のミルクボーイを起用した「プラズマクラスター」のブランド広告をテレビCM中心に実施したことで、プラズマクラスター搭載商品全体のブランド力向上につながった。
高付加価値商品提案の強化
プラズマクラスターに加え、今期はテレビ事業のさらなる拡大と、大型冷蔵庫・洗濯機のシェアアップに重点的に取り組む方針だ。テレビについて宮永副社長は「55V型以上の構成比拡大と、8Kなどの高画質シフトを強化する」と話す。
テレビは買い替え時期を迎えるほか、18年の4K8K衛星放送開始から、テレビの出荷台数は年々増加傾向にある。ネットコンテンツを含めテレビの視聴時間が増加している。
こうした中、「当社の8K/4Kテレビは、さまざまなアプリケーションサービスに対応することができるAndroid TVが好調に推移した。20年度は、販売台数の約3割が50V型以上となっており、大画面シフトも進んでいる」(宮永副社長)。
さらに、今年で発売20周年を迎えた液晶テレビAQUOSは、同社製大型テレビ(55V型以上)や4Kレコーダーの新製品を購入した顧客を対象に、「AQUOS 20周年キャンペーン」を8月9日まで開催し、販促支援にも力を入れる。
ドラム式洗濯乾燥機に関しては「昨年発売したES-W113の実売が大幅に伸長し、金額実績でも業界を上回る状態を継続している」と宮永副社長は話す。
洗練された本体デザインのほか、洗剤・柔軟剤の自動投入や乾燥フィルター自動掃除、独自のAIoT機能が好評だ。また、ドラム式は少人数世帯からの需要も高まっており、コンパクトタイプのES-S7Fも好調だ。
大型冷蔵庫では「業界最薄を特長としたMF/MWシリーズを投入したことで、大型ゾーンでのシェアが拡大。インテリアになじむデザイン性の高さとシステムキッチンにおさまる奥行きで、リフォームや新築時に合わせて購入されるなど、新たな需要を創出した」(宮永副社長)とする。
エアコンは昨年、「省エネ大賞」最高位の経済産業大臣賞を受賞した「Airest(エアレスト)」の認知が進み、順調に実売が伸長している。引き続き、店頭での効果的な訴求により実売アップに努めていく。
〝巣ごもり需要〟の代表的なヒット商品となった「ヘルシオ ホットクック」は、今年の6月末には累計販売40万台を達成した。ホットクックは、17年からAIoT機能搭載モデルを投入しているが、現在はほぼ全数がAIoTモデルの実売となっている。
AIoT接続率向上のさらなる取り組みとして、20日まで「エアコン&空清スマートキャンペーン」を開催している。
プロモーションも積極的に拡大
吉本興業とのコラボ10周年を記念した「シャープ PR-1グランプリ」や、人気の吉本芸人と売り場をオンラインでつなげ、掛け合いができる「Re:スマイルフェア」、自宅から参加できる「セレッソ熱烈応援キャンペーン」など、動画コンテンツやSNSとの連動も合わせ、リアルとオンラインを融合した形でイベントを開催することにより、コロナ禍でも、多くの顧客に同社製品の魅力を効果的に伝えていく。