2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】丸文尖った商材でソリューション事業強化

飯野 社長

 丸文は、創業時より継承している「先見」と「先取」の精神のもと、システム、デバイス両事業を核に産業機器、情報通信、自動車を重点分野に位置付け、医療、環境などにも着目しつつ、独自の尖った商材の発掘によるソリューション事業を強化している。

 飯野亨社長は「デバイスではスマートフォン、タブレット、ゲーム機、ロボット向けなどが好調に動いている。システムでは半導体製造装置や検査装置、電子部品製造装置などが順調。デバイス調達と納期が課題だが第5世代移動通信規格5G関連の基地局設備、ローカル5G、パワー半導体の設備投資なども期待でき、2021年度は現在の勢いを維持、加速したい」と述べる。

 IoT技術を駆使したシステム製品のソリューションを強化している。工場や物流のスマート化を目指し、エッジデバイスやハンドヘルドスキャナーなどにセンシング、画像処理、AI(人工知能)技術を組み合わせ、部材の入出庫、生産管理など最適化を提案。センサーや無線技術を応用し、河川やため池の増水を常時監視し、災害を予知するシステムをSI事業者と協働して自治体に提案。高周波焼き入れに代えて省エネにもつながる半導体レーザー加工機による提案も始めた。ウエハー表面欠陥観察装置など半導体製造装置の販売強化の一環で、グループ会社のフォーサイトテクノ(東京都江東区)にウエハーの検査や評価を行うラボを設け好評を博している。

 尖った商材として、遠隔医療ソリューションを提供するステトミー社(ポーランド)と日本総代理店契約を締結し、同社が製造する「ステトミー電子聴診器」の取り扱いを開始する。遠隔医療にも応用できる。汎用ロボットプラットフォームを専門とする米アイオロス社に投資するとともに戦略的パートナーシップ契約を締結した。アイオロス社のAI搭載型介護支援ロボットの取り扱いを開始し、学研ホールディングスのグループ会社が運営する介護施設をはじめ納入実績が上がり始めている。京都大学大学院とマリが共同開発したミリ波レーダーを応用した呼吸・心拍を遠隔から計測できる非接触見守りセンサーの販売も始めた。