2021.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】NECフィールディング 鈴木浩社長

鈴木 社長

社内DXで実践した成果を外販

 2021年度はメーカーを問わず保守対応するマルチメンテナンスを強化するとともに、社内で実践してきたデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)のノウハウを外販していく。21年度後半に向けては機器の保守以外に取り組む工事案件の獲得や脱炭素への取り組みも始める。

 この一年は全国拠点網と24時間365日のサポート体制を生かしたマルチメンテナンスの案件が着実に積み上がってきている。新規で取り組む医療機器の保守は、CTや歯科X線の保守対応ができるよう資格取得を推進。医療機器の保守対応拠点も全国15カ所まで拡大した。21年度は計24拠点体制にしていく。

 冷蔵機器の保守対応も本格化し、フロン関連機器の資格取得も進めている。現在約80人が取得し今年度中に130人規模まで拡大したい。新領域では自走ロボットの保守の検討も始めた。当社「川崎テクニカルセンター」の自動化を目指して導入した自走ロボットの運用経験を生かした保守に取り組んでいく。

 数年来取り組んできた社内DXでは実践した成果を外販する取り組みを始めた。全国に約1600台のスマートグラスを配布し、運用する独自の遠隔保守支援の仕組みを外部に展開する事例も出てきた。遠隔支援への潜在需要は企業だけでなく自治体などにもあり、今後提案を加速させたい。

 人工知能(AI)の活用も進む。AIチャットボットによる故障診断や問い合わせ対応も利用が増えてきた。適用範囲を広げ、知見も増えていることから実運用の段階に入ってきたとみている。

 21年度下期はマルチメンテナンスの強化だけでなく、工事と脱炭素への取り組みを本格化する。工事関連はより大規模な案件の対応ができるよう「特定建設業」の許可を取得した。脱炭素に向けてはこれまで進めてきた太陽光発電システムの建設と運用から、自家消費型の太陽光発電システムの需要が拡大していくとみている。培ってきた施工と運用ノウハウを生かし、自家消費型システムの構築と運用で、脱炭素に向けた支援をできるようにしていく。