2021.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】日立システムズ 柴原節男社長
柴原 社長
クラウドサービスで強みのインフラ生かし注力
日立製作所グループが推進する社会イノベーション事業を支える企業として、2021年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画の目標達成に向けて取り組んできた。日立が主力とするデジタル事業「ルマーダ」と連携した各種施策に注力し、20年度売上高は前年度並みの約5237億円を達成した。営業利益率も10%以上を19年度以降維持しており、最終年度も目標達成に向けて突き進んでいる。
データセンターや運用・監視センターなどのサービスインフラを基盤に、システム構築から運用・保守に至るワンストップのサービスを「公共」「社会インフラ」「金融」「産業・流通」といった分野に提供してきた。その実績を土台にルマーダとも連携し、医薬・ヘルスケア領域も開拓したい。23年度までに約100億円の売上高を目指す中期事業戦略を打ち出した。
新型コロナウイルス禍が長期化する中、21年度の足元の受注は昨年度を若干下回る。ワクチン普及などによる経済活動の正常化は21年度下期以降になると予想。半導体不足の影響もあり、新規案件を獲得する際に在庫の問題が出てくる。下期は売り上げの拡大に向けた活動に取り組み、21年度の売上高も昨年度並みを確保したい。
下期は強みのインフラを生かしたクラウドサービスに力を入れていきたい。この部分で競合他社との差別化を鮮明にし、投資も行っていきたい。
クラウドサービスを拡販するため、多彩なサービス商材を専門に扱う営業体制を整えた。顧客のデジタル変革ニーズを踏まえ、短期的に投入できる商材を扱っている。在宅勤務が広がる中で、例えばテレワークを支える「VDI(仮想デスクトップ)」のサービスを手掛けている。
日立は小島啓二新社長の下で、22年度から次期中期経営計画をスタートさせる。ITセクターを支える当社としてはメインのコンペティター(競争相手)を見て、日立グループの成長の一翼を担いたい。そのため自社内の連携を強化するとともに、パートナーとの協創も一段と強化していく。