2021.11.17 【InterBEE特集】東京五輪・パラリンピックテレビメディアとして新たな存在感

 新型コロナウイルス感染症拡大により1年延長されて開催された東京五輪・パラリンピックでは、放送に大きな注目と期待が集まった。今回の東京大会では競技を伝えるだけではなく、新しい技術による放送の新たな取り組みが行われ、テレビメディアとしての新たな存在感を示した。

 同大会で初めてHDと4Kのサイマル放送を実施。また、新4K8K衛星放送が始まって初の大会となり、開閉会式など一部競技が4K/8Kで放送されたほか、インターネット同時配信も行うなど、放送技術のさまざまな領域で技術革新があった。

 コロナの影響でほとんどの競技が無観客での開催だったが、視聴率は好調だった。ビデオリサーチによると、7月23日に行われた開会式はNHK総合で生中継され、その後にフジテレビ系列とNHKBS1でハイライトを放送したが、3番組のうちいずれかをリアルタイムで視聴した人は日本全国で約7326万8000人。

 また、NHK総合で生中継した同開会式の平均世帯視聴率は、関東地区で56.4%、関西地区で49.6%と、高視聴率だった。

 民放テレビは本大会の期間中(7月21日~8月8日)、オリンピック公式動画サイト「gorin.jp」と公式テレビポータルサイト「TVer」でライブ配信とハイライト(VOD)配信を行った。gorin.jpのアクセス数(PV)は1億9150万PVと、これまでで最もアクセス数の多かった2018年ピョンチャン大会の3.2倍以上を記録。動画再生数はライブとVODを合計して同約2.2倍の7400万ストリームで、過去最大のアクセス数および動画再生数を記録した。

4K/8Kで魅力的なコンテンツ発信

 4K/8K放送の特長を生かした魅力的なコンテンツも注目された。東京五輪の4K/8Kの放送時間は、BS4Kの民放5局合計で85時間58分、NHKではBS4Kが約220時間、BS8Kでは約210時間。東京パラリンピックでは、NHKがBS4KとBS8Kで、それぞれ約90時間のサイマル放送を行った。