2021.11.24 【5G関連部品・材料特集】中興化成工業低伝送損失のフッ素樹脂製品の提案を強化
中興化成工業は、フッ素樹脂(PTFE)など高機能樹脂の総合加工メーカー。エレクトロニクス用途向けに、高速・大容量通信に適した低伝送損失のフッ素樹脂製品の提案を強化している。
フッ素樹脂基板「チューコーフロー銅張積層板」は市場で求められる誘電率、誘電正接に合わせて豊富なラインアップをそろえる。基地局用アンテナやVSATなどで使用可能。新たにRz=1.0マイクロメートルの銅箔を用い、フッ素樹脂との密着性を持たせた製品を開発した。低誘電正接も実現し、伝送損失のさらなる低減に貢献する。
開発中の「チューコーフロー銅張積層板 xCH3008B」はフッ素樹脂含侵ガラスクロスのミリ波対応銅張積層板。誘電率が低く、ミリ波帯での伝送損失が極めて小さい。引き剝がし強度は平均1.30kN/mと極めて高い。比誘電率は平均3.10、誘電正接は平均0.00093。低吸水性にも優れる。
開発中のフレキシブルなフッ素樹脂銅張積層板「チューコーフロー銅張積層板 xCCF-500」は誘電正接に優れる、充塡(じゅうてん)材含有フッ素樹脂フィルムの銅張積層板だ。超低粗度箔を用いて両面銅張している。柔軟性に優れ、引き剝がし強度は1.4kN/m、線膨張係数を低く抑えた。
フッ素樹脂は蛍石由来の樹脂材料。非常にタフな材料で耐熱性や耐薬品性に優れる。260度の高温からマイナス180度の低温まで変質しない。電気絶縁性や誘電特性、滑り特性、耐候性などの特徴も併せ持つ。
一方で加工が難しい材料でもある。同社は1963年の創業以来、フッ素樹脂加工における課題解決に取り組んできた。一品一葉で顧客の要望に合わせた加工を行う。