2022.01.05 【22年 年頭所感】情報サービス産業協会(JISA)原孝会長
「人が輝く社会」に挑戦
令和4年の干支(えと)は「寅」、古くから寅(虎)は厄除けや疫病除けの象徴として尊ばれてきた。新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めているわれわれにとっては、まさに「寅」の力を借りて、安心に満ちた日常を送ることができるよう願っている。
私は昨年、秋の褒章で、藍綬褒章受章の栄に浴し、身に余る光栄に存じている。これもひとえに長きにわたりご高配を賜っているお客さま、情報サービス産業に携わる皆さま方のご支援のおかげと心より感謝している。
さて、最近では社会が抱えているデジタルについての課題が、いろいろな方面で言われている。難題と思われるようなテーマもあるように思う。そういった中、情報サービス産業協会(JISA)としては新しいビジョンステートメントを打ち出した。〝JISA2030~デジタル技術で「人が輝く社会」を創る~〟で、われわれは少し先を見て、視座を上げて「社会」「国」に向き合って活動をしていく覚悟だ。
先日、自由民主党の「情報産業振興議員連盟」でJISAとして二つの提言を行った。
一つ目は世界で闘い、将来世界をリードしていくデジタル人材(ITアスリートと呼ぶ)を輩出すること。分かりやすく例えると、IT業界の〝大谷翔平〟を創りたい。野球界に革命を起こした大谷選手のような存在を、IT産業の大きな目標にしたいと思っている。その政策がJISA版ナショナルトレーニングセンター(NTC)の創設で、将来有望なエンジニアを集め、プロフェッショナルに鍛錬していくプログラムだ。
二つ目はJISA版はやぶさプロジェクトの実行。具体的な検討としては、地域産業との共創だ。少子化、高齢化を抱えている地方を支援し、新しいビジネス(DX)を立ち上げるものだ。障がい者の就労支援もJISAとして積極的に取り組んでいく。
そして、われわれIT産業も自ら変化していかねばならない。現在、パラダイム、個人の価値観が大きく変わってきている。マーケットそのものも変わる。われわれも進化していかなければお客さまは離れていく。
最後になるが、JISAは未来志向で「人が輝く社会」に挑戦する。そして、その先に新しいIT産業の姿が見えてくるように思う。