2022.01.13 【放送/機器総合特集】22年 年頭所感日本民間放送連盟 大久保好男会長
大久保 会長
経済復興への寄与に全力
成長と発展に向けチャレンジ
年頭に当たり、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年も新型コロナウイルス感染症に世界中が翻弄(ほんろう)された一年となりました。日本では秋以降、感染者数が減少し、少しずつ人々の生活や経済に活気が戻ってきたように見えますが、いまだ収束とはいえません。
私たち民間放送は、報道機関としてコロナの最新状況や医療現場の実情などを視聴者・リスナーの皆さまに届け、感染拡大の防止に努めてきました。番組制作に制約を受けながらも、それぞれの現場が創意工夫の下、生活に必要な情報や地域の明るい話題を一つでも多く伝える努力を続けています。
事実に基づいた正確な情報を送り続けるのはもちろんのこと、地域とともにある民間放送としての責任を果たすため、コロナ禍で疲弊した産業や経済の復興への寄与に今年も全力で取り組んでまいります。
コロナ禍は人々の行動様式に変化をもたらし、社会の「デジタル化」を求める動きを加速させました。私たちも情報通信の技術革新への対応を迫られています。民間放送の歴史は新しい技術を取り入れながら進化を続けてきた歴史でもあります。視聴者・リスナーのニーズを見極めながらデジタル技術をサービスに取り込み、ポストコロナの社会課題の解決に貢献しなくてはなりません。
ウェブサイトの情報やSNS上での出来事をきっかけにした差別や偏見、誹謗(ひぼう)中傷で、誰かが傷ついたり社会の分断が指摘されたりすることが多くなりました。私たちはこうした現代のメディア環境や言論空間が抱える課題にも真摯(しんし)に向き合い、自らを律しながら健全な民主主義社会を維持するための取り組みを続けることで、社会の信頼に応えてまいります。
昨年は民間放送の誕生から70年の節目の年でした。11月に開いた「民間放送70周年記念式典」で、私は「時代の変化を見据え、『挑む勇気と使命感』を忘れずに、『変える勇気』と『守る勇気』を併せ持って、民間放送100年を目指して歩みを進めていきたい」と述べました。
2022年の干支(えと)は壬寅(みずのえとら)です。厳しい冬を越えて草花が芽を出し、成長していく年と言われています。コロナ禍がもたらす環境変化をしっかりと捉え、民間放送の成長と発展に向けて果敢にチャレンジしていく年にしましょう。
会員各社の力を合わせ、民間放送の新たな歴史を紡いでいきたいと思います。
新たな年の幕開けです。皆さまにとりまして幸多き1年となりますよう心からお祈りいたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。