2022.01.13 【放送/機器総合特集】22年 年頭所感放送サービス高度化推進協会 相子宏之理事長
相子 理事長
デジタル化、一層加速
積極的に配信事業など強化
あけましておめでとうございます。放送サービス高度化推進協会(A-PAB)より新年のごあいさつを申し上げます。
新型コロナウイルス感染拡大から2年が経過しましたが、依然、新たな変異株が確認されるなど、社会全体に大きな影響を与えております。放送業界におきましても、一昨年に続き、番組制作面での制約やイベント開催の規制、働き方の見直しなど、さまざまな面で影響を受け、コロナ禍へのさまざまな対応を余儀なくされた一年だったのではないかと考えております。
A-PABにおきましても、時代の変化に対応すべく、放送サービスの高度化や放送インフラの安定運用に関連する各種業務などの基幹的業務に加え、「基本課題検討部会」を開催し、会員社アンケートなどを実施し、さまざまな議論を行っております。若者のテレビ離れ、次世代スマートテレビ、4K・8K放送など、中長期的な課題などについてどのように対応すべきか幅広く情報収集し、取り組みの方向性、協会の役割などを検討しております。
2021年12月に放送開始3周年を迎えた新4K8K衛星放送につきましては、6月、12月にNHK、民放BS5社が共同キャンペーンを実施するとともに、昨年夏、新型コロナウイルス感染拡大で一年延期となった「東京2020オリンピック・パラリンピック」を4K・8Kで放送、巣ごもり、テレビの買い替え需要などもあり、おかげさまで視聴可能機器も8月末に累計1000万台を突破いたしました。これまでの関係者の皆さまによるご努力、ご尽力に対して敬意を表しますとともに、総務省、電子情報技術産業協会(JEITA)、日本ケーブルテレビ連盟、家電販売店の皆さまほか、各方面の方々から多大なるご支援をいただきましたことに、改めて厚くお礼申し上げます。引き続き、普及推進活動を行い、24年パリオリンピック・パラリンピックの頃には視聴可能機器2500万台を目指して活動してまいります。
総務省から請け負っている地上テレビ放送高度化に向けた技術試験事務も3年目を迎えており、関係各方面のご協力を得ながら業務を遂行しております。
また、今年度最終年度を迎えた中間周波数漏洩対策補助事業も、最後まで気を引き締めて取り組むとともに、引き続き、A-PABとして受信環境整備への取り組みを継続していきたいと考えております。
昨今、放送を取り巻く環境の変化に対応すべく、各社、デジタル化への取り組みを一層加速させ、配信事業強化やデジタルコンテンツ開発などを積極的に行っております。放送番組のインターネット同時配信に係る権利処理の円滑化に関する著作権法改正などもあり、NHKに続き、民放でも同時配信への取り組みをスタートしております。さらに、コロナ禍の影響も加わり、テレビの高機能化によって、テレビでのネット動画視聴も増えているというレポートなどもございます。しかしながら、ネットに比べて放送への信頼度は依然として高く、放送の価値は、これからも変わらないものと考えております。
A-PABとしましては本年も引き続き、関係各方面の皆さまと緊密に連携し、放送のメディア価値向上、新4K8K放送の普及推進など放送サービスの高度化等に貢献すべく、さまざまな取り組みを行ってまいりたいと考えておりますので今後とも、ご支援、ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。
最後に、今年はコロナ禍も終息し、皆さまにとってより良い一年となることを祈念いたします。