2022.01.25 ガソリン値上がり抑制策、発動全国平均小売価格170円以上に

経産省、元売りなどに補助

 世界的な原油価格の高騰を受けて国内のガソリン価格が高止まりしていた問題で、萩生田光一経産相は25日、ガソリンなどを扱う元売りらを通じた価格抑制策を発動する、と発表した。全国平均のレギュラーガソリン小売価格が今週の調査で、発動の条件だった1㍑当たり170円を上回ったため。発動は初めてになる。

 萩生田経産相は閣議後会見で「石油製品の価格は地域差があるが、(今回の)事業で卸価格の上昇が抑えられ、それぞれの地域において、さらなる急激な値上がりを抑制することが可能になると期待する」と述べた。

 小売価格は資源エネルギー庁が毎週、全国の給油所などに調査し、都道府県平均などを公表している。26日発表予定の調査で、全国平均が170円を上回り、170.2円になったため発動を決めた。2008年9月以来の13年4カ月ぶりの高値水準だという。

 対象はガソリンのほか、軽油、灯油、重油の4種。ガソリンなどを扱う元売りや輸入商社約30社に対して、原油コスト上昇分などを織り込んで、1㍑当たり3.4円を支給する。

 元売りなどが給油所側に卸す価格を抑制する効果が生じ、給油所で消費者が購入する価格の値上がりも抑えられることを想定している。ただ、給油所は燃料油の在庫などを抱えているため、小売価格への反映にはタイムラグが生じる可能性はある。

 資源エネルギー庁石油流通課は「あくまでも燃料油価格の激変を緩和する事業であり、小売価格の値下げを促すものではない。地域によっては170円を上回ることもあるが、それ以上、上昇していかないようにする対策だ」と強調している。