2022.02.25 ガソリン高対策、大幅拡充へウクライナ情勢悪化、油価高騰の見通しつかず
ロシア軍がウクライナに侵攻したことで、政府は、影響が広がるガソリン高対策を大幅に拡充させる。資源エネルギー庁が24日に発表した、レギュラーガソリンの全国平均価格(21日調査)は前週比で0.6円高の172円。24日以降は補助の上限となる1リットル当たり5円の支給を続けている。萩生田光一経産相は25日の閣議後会見で「支援を深掘りすることを含め、関係省庁と連携して追加的な措置を速やかに講じていく」と述べた。
エネ庁によると、21日調査では、原油の値上がり具合などから177円と予測されたが、支給された5円の補助がそのまま抑制効果を示し、172円だった。
ただ、値上がりに歯止めはかからず、上限支給は10日に始めて以降、3週据え置かれることになった。既に、自民党は、萩生田経産相と松野博一官房長官に対し、現状の5円の支援幅を大幅に拡充することなどを含んだ追加の対策を緊急提言で申し入れている。ガソリン税の上乗せ分(1リットル当たり25.1円)を念頭に、その額を超える支援ができる制度の見直しと延長を求めた。
そうした動きを受けて、政府では、支給上限の見直しなどが議論の俎上に上がっているとみられる。緊迫度が増す中で、政府は対策を「大幅に拡充、強化する」方針を示した。
政府は、原油やLNG(液化天然ガス)の備蓄や在庫を、電力会社やガス会社に確認し、現状では安定供給に支障がないことを確認したという。
萩生田経産相は閣議後会見で、原油価格について「より一層、上昇傾向にあり、企業活動や暮らしへの影響が懸念される」と言及。「今後の動向には、緊張感をもって注視していく。どの程度、長期化するかも見極めながら、国民生活や経済活動への影響を最小化するという観点から追加的な措置を速やかに講じていく」と述べた。