2022.03.01 JERA、燃料アンモニア製造計画に参画混焼発電用調達、国際競争入札を実施
東京電力グループと中部電力が出資する発電会社、JERAは、排出する二酸化炭素(CO₂)を削減するため石炭に混焼する燃料アンモニアについて、製造プロジェクトに共同で参画する方針だ。2月18日、燃料アンモニアを調達するために実施する国際競争入札の条件を公表した。製造時にも原則CO₂を排出しないことなどが条件で、同社もプロジェクトに参画することを前提とした。
JERAは世界に先駆けて、碧南火力発電所(愛知県碧南市)で石炭にアンモニアを20%混ぜて発電する技術の確立に向け、実証を進めている。2024年度までの実証中に約2カ月間、発電の試験を行う。この結果や国の支援を踏まえた上で、20年代後半には同発電所4号機で、燃料の20%混焼の本格的な運用開始を目指す。
世界でも例がない
今回の入札は、本格運用以降に使用される燃料アンモニアを調達するためのもの。出力100万kWの4号機で20%のアンモニア混焼を続けると、年間約50万トンの供給が必要になる。この規模での燃料アンモニアの調達は「世界でも例がない」(JERA)とみられる。
現在、同発電所5号機で0.02%の小規模混焼を行いながら、本格運用に向けて燃料を燃やすバーナーの開発などを進めている。その後、4号機での混焼を始めるため、タンクやパイプラインなどを設置していくという。
供給は27年度から40年代までの長期契約を条件とした。調達対象は、太陽光など再生可能エネルギーによる電力で製造したグリーンアンモニアか、製造時に発生するCO₂を回収、貯留(CCS)するなどしたブルーアンモニアに限定した。
入札条件は既に、オイルメジャーやアンモニア生産メーカー、大手商社、石油開発会社など国内外の約30社に通知。製造プロジェクトの提案を受けた上でJERA側が評価し、5月ごろまでに複数社と具体的な協議を行うという。プロジェクトにはJERAも出資参画する。
「燃料サプライチェーンを構築していく観点から出資する。50%未満の小規模の予定だが、出資する機会がある製造プロジェクトを入札の対象にする」(同社)。