2022.03.15 カーボンニュートラルに向け行動指針を太陽光発電協会が公表 環境への取り組み「必須」、人権配慮を強調

 太陽光発電協会は、持続可能な社会の実現に向けた行動指針をまとめ、公表した。2050年カーボンニュートラルの達成に「先導的な役割を果たしていく」ためとし、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から「人権への配慮」も強調する内容となっている。会員企業をはじめ、太陽光発電産業の関連事業者の取り組みの基礎としてもらう方針だ。

 行動指針の制定は、87年に発足した前身の「太陽光発電懇話会」を含めても初めて。同協会は太陽光発電の調査や政策提言、啓発活動などを担い、国内での普及の中心的な役割を果たしてきた。近年、世界が脱炭素にかじを切ったことで、主力電源として期待がかかり、社会的な注目も集まっている。

 現在、協会には発電事業者やパネルメーカーなど、太陽光発電に関連する企業約120社が加盟。国外の企業も多く参加している。こうした背景から、統一的な指針をまとめるべきとの意見が増え、1月下旬に制定した。

 指針では「太陽光発電産業の社会的責任を果たす」とし、「人権の尊重、持続可能なサプライチェーンの構築に向けて、中立・公平を順守した事業活動を行う」と規定。太陽光発電の信頼獲得を重要視している。

 また、発電所の立地から生産、廃棄までの環境問題への取り組みを「必須要件」と明記し、関係省庁や自治体などとの連携に積極的に取り組んでいく。

 SDGsとの関連から、「人権の尊重」も重要項目に掲げ、「各国、地域の労働関連法令、その精神を徹底して順守する」とした。