2022.03.24 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 エレクトロニクス商社の中国営業戦略サンワテクノス

上野 部門長

半導体などターゲット業界への拡販に力

 サンワテクノスの上海法人「珊華電子科技(上海)有限公司」(上海サンワテクノス)は、電機、電子、機械分野の最新製品を融合させた製品販売事業、加工品販売、自動化システムの技術開発、アフターサービスなど広範な業務を行い、日系進出顧客やローカル顧客に付加価値の高いサービスを提供する。

 同法人は2001年に設立。順次分公司を開設し、21年には厦門分公司を新設した。19年には上海総部と機電中心を統合し、同一のビルに移転した。

 同法人の21年度(12月期)売り上げは前期比約37%増の約18億元に達し、2期連続で過去最高を更新した。同法人の上野耕司営業部門・電子部門長は「21年は好調な中国経済を背景に受注・売り上げが好調に推移し、特に産機市場向けが大きく増加した。22年の年明け後の受注も堅調」と話す。

 同法人のビジネスは、電子部門、機電部門、加工品部門で構成。電子部門は日系部品の代理店販売や基板実装、SCMビジネスなど。機電部門はサーボモーターやインバーター、ロボットに周辺機器を組み合わせ、自動化ソリューション提案に力を入れている。「機電部門には10人ほどの技術者が在籍し、顧客へ技術サポートを行っている」(上野部門長)。金属・樹脂加工品は協力企業へのQCパトロールなどの品質管理に万全な体制にて拡販を行っている。

 今後の展開について、上野部門長は「半導体・太陽光・加工機・医療・食品などのターゲット業界への拡販に力を注ぐ。主要仕入れ先への販売強化や車載分野にもチャレンジする」と話す。22年1月には営業推進室を新設した。現地社員にマッチした制度づくりも進める。「半導体不足・材料高騰は懸念材料だが、中国系半導体製造装置国産化の流れは追い風。EVシフトや太陽光関連も期待できる」とし、22年度売り上げは20億元を目指す。