2022.04.08 家庭向け電力小売り、新ブランド出光興産、統合後に初刷新

出光興産系列の給油所

 石油元売り大手の出光興産は8日、電力小売り事業のうち全国の家庭向けプランのブランドを「idemitsuでんき」にリニューアルした、と発表した。従来は、経営統合した昭和シェルを冠したブランドを引き継いできたが、4月から刷新。プラン内容などは継承するが、サービスを提供する給油所などを拡大させる。

 出光興産は、グループの新電力「出光グリーンパワー」(東京都千代田区)が法人向けに再生可能エネルギー電力の供給を手掛けてきた。家庭向けは、2019年4月に経営統合した昭和シェルのブランド「シェル|家庭の電気」を引き継いで提供してきた。販売店となる給油所などのシステム統合が完了し、「出光」を冠したブランドに刷新した。

 新ブランドでは、三つのプランを展開する。一般家庭向けの「Sプラン」と、オール電化住宅向けの「オール電化プラン」の契約者には、系列給油所でガソリンなどの給油時に、1リットル当たり2円(月に上限100リットル、一部店舗を除く)を割り引くなどのサービスが適用される。従来ブランドよりも対応可能な給油所を大幅に広げた。

 また、電気自動車(EV)所有者で自宅に給電設備を持つ契約者には、電気料金を毎月200円値引きするサービスもある。

 「グリーンプラス」のサービスでは、使用料金に1kWh当たり2円を加算すれば、非化石証書を活用して実質的に二酸化炭素(CO₂)排出ゼロの再エネ100%の電気供給を受けられる。再エネ固定買い取り制度(FIT)の売電期間を終えた太陽光発電設備が自宅にある場合、出光興産が通常価格に1kWh当たり2円を上乗せして買い取るサービスもある。

 同社は「電力小売り事業は強化していく方針で、顧客にとってより満足度の高いサービスを提供し、事業を発展させていく」と話している。