2022.04.15 パナソニック、水素活用で再エネ「RE100ソリューション」実証試験を開始
多くの来賓・関係者が詰めかけた開所式(着席した中央の人物がパナソニック ホールディングスの楠見社長)
パナソニックは、草津拠点(滋賀県草津市)で、純水素燃料電池と太陽電池を組み合わせた自家発電により、工場で使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う「RE100ソリューション」実証試験を15日から稼働した。本格的に水素を活用する工場のRE100化は、世界でも初の試みとなる。
草津拠点に設けられた「RE100ソリューション」実証施設は「H2 KIBOU FIELD」と名付けられた。ここでは、5kW純水素燃料電池99台(495kW)と太陽電池(約570kW)を組み合わせた自家発電設備、余剰電力を蓄えるリチウムイオン蓄電池(約1.1MW時)を備えている。
発電した電力は、草津拠点の燃料電池工場の製造部門全使用電力を賄う。また3電池連携による最適な電力需給運用に関する技術開発や検証を行う。
5kW純水素燃料電池は、家庭用燃料電池「エネファーム」の技術を応用し、「エネファーム」と異なりガスを改質して水素を取り出す「燃料処理器」がないため、構造がシンプルで小型化できる。
同施設では燃料となる水素は岩谷産業から購入し、敷地内には7万8000トンの液化水素を貯蔵できる大きなタンクも設置されている。
15日には施設の開所式も開催し、パナソニック ホールディングスの楠見雄規社長をはじめ、滋賀県の三日月大造知事や地元・草津市の橋川渉市長など大勢の来賓を招き、施設の見学会も催した。
今後、パナソニックでは施設の検証を進め、23年度以降「RE100化ソリューション」事業としてグローバルで普及を目指し、脱炭素に貢献していく考えだ。
(19日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)