2022.05.25 【次世代自動車用部品・材料特集】メイコー車載用電子回路基板 配線面積削減提案など進める
FR-4 Flex構造(Semi Flex)FR-4.0、4.1を使用した折り曲げ、小型・省スペースへの組み込みによる小型化
メイコーは、電子化・電動化が進む自動車向けに各種プリント配線板を製造・供給している。車載用電子回路基板に対する技術要求の高度化に対応し、①高密度・高周波対応②小型化③放熱対応などに重点を置いた技術開発・提案を行う。
高密度・高周波対応では、将来の電子制御ユニットのドメイン統合型ECUへのシフトに照準を合わせ、3段ビルドアップ基板やエニーレイヤー基板などの開発を強化する。高周波対応のための材料の見直しも進める。
小型化では、FR-4フレックスによる折り曲げ、小型・省スペース対応や、部品内蔵基板による配線面積削減提案などを推進。
放熱対応では、車の高機能化や大電流化に伴う放熱ニーズの高まりに対応する各種放熱基板製品をラインアップする。電流配線層を厚銅化した厚銅基板による大電流対応や、放熱性に優れる銅インレイ基板、選択スルーホールめっき厚付けにより放熱を行うメガスルホール基板、金属ベース構造での放熱を行うメタルベース基板など、多彩な製品・技術をそろえている。
21年度(22年3月期)の自動車向け売上高は、半導体不足などの影響を受けながらも前期比40.0%増の732億円と大幅に増加した。22年度も同17.5%増の860億円と高い伸びを計画している。22年度の連結売上高に占める自動車向け比率は5割を超える見通しだ。
事業拡大に向け、中期での積極投資を実施している。4月には山形事業所天童工場(山形県天童市)の建設に着工した。23年度上期の竣工を予定する。海外でもベトナム工場で量産を始める。これにより、24年頃からの成長加速が見込まれる電動車向けの生産体制を整備し、新規ビジネス開拓につなげる。
新規サービスとして「高周波測定受託サービス」も開始した。最大測定周波数110ギガヘルツの測定システムを導入し、材料特性や配線パターン伝送特性の測定をスタート。コア技術の基板製造と高周波測定に設計・シミュレーションや基板分析を加え、垂直統合の技術とサービスを顧客へ提供する。