2022.07.01 【家電総合特集】富士通ゼネラル中川陽介経営執行役常務
暖房強化型エアコンに引き続き力
修理などパートナーサポート充実
上期は中国・上海のロックダウンの影響で一部製品において生産遅延が発生し、取引先やエンドユーザーに迷惑をかけてしまった。現在はフル生産を再開し、部品調達や生産調整の改善に全力で取り組んでいる。また、1カ国だけでなく複数の工場で同製品を生産できるようにするなど、リスク分散の検討をしながら対応している。
多くの取引先に迷惑をかける事態となったが、まずはエンドユーザーに関わる事項を最優先に考え、状況の改善に取り組んでいる。
今夏は6月下旬から高気温が続いている。昨年が冷夏だったこともあり、今夏はエアコン業界全体で伸びるのではないかと考える。
中でも暖房強化型エアコンに期待している。現在、寒冷地仕様エアコンの販売台数は5年前の2倍以上。暖房性能が向上したことに加え、化石燃料の暖房機器からの置き換え需要により、エアコンが暖房にも有効であることが広く認知されつつある。
温室効果ガスの排出量削減、社会課題解決に大きく貢献する製品やサービスを認定する独自制度のサステナブル・プロダクト(サスプロ)である暖房強化型エアコンの販売に引き続き取り組む。
修理などを行うパートナーのサポートも一層充実させる。北海道や東北地方は、エアコン設置業者の数がほかの地域に比べるとまだ少ない。また、雪深い地域では室外機の取り付けに防雪フードが必要なケースや地面に直接置くことができないケースなど、地域ならではのスキルが必要となる場合が多い。きめ細やかな研修を行い、パートナーの技術力向上をサポートする。
販売店の研修にも力を入れている。コロナ禍で対面が難しくなったことから、リモート研修の機会が増えた。新入社員向けや、機種ごとに特徴・取り付け方を紹介するなど、さまざまな研修をリアルタイムの配信やアーカイブ動画を使って実施している。
キャンペーン時には特に再生回数が増え、販売も伸びるなど手応えを感じる。好きな時間に視聴できると評判もいい。ペーパーレスで環境負荷低減にもつながるため、アフターコロナでも継続していく。
個別機種では、高暖房スリムモデルで準高級機と位置付ける「ノクリア」Hシリーズの訴求に注力する。高級機並みのスペックながら求めやすい価格帯の製品だ。寒冷地仕様のエアコンまでは求めていない寒い地域の家庭に満足していただけると自負している。
「ノクリア」では、小型でデザイン性にも優れたSVシリーズ、ハイスペック機能とデザイン性を兼ね備えるZシリーズ、最高級機種のXシリーズと、コンセプトを明確にした製品を多く開発してきた。今回それぞれの〝いいところどり〟をしたHシリーズが加わり、価格面を含めて多様化するあらゆるニーズに応えられるようになった。
下期は化石燃料を使用しないエアコン暖房への置き換えを一層推進し、持続可能な社会の実現に貢献する。