2022.07.01 【家電総合特集】マクセル和田修司理事ライフソリューション事業本部長

BtoCで〝ユニークバリュー〟強化

キラーコンセプト持つオンリーワン製品生み出す

 2023年度に売上高1250億円、営業利益率10%を目指す中期経営計画「MEX23」の取り組みを続けている。当社にはエネルギー、光学・システム、機能性部材料、ライフソリューションのセグメントがあり、ライフソリューション部門は健康機器と理美容機器、電設工具から成る。

 現在は、社内体質を変えて収益を強化するため、各事業で規律をもって定量的指標で事業の存続を判断する「ABC-XYZオペレーション」を採用し、見極め事業や要注意事業、即撤退事業などを四半期ごとに審議している。

 ライフソリューション部門では、技術の強みを生かしたOEMとBtoBtoCの取り組みを強化する。併せて機種別損益改善プロジェクト「PIPJ」にも取り組み、利益創出を徹底し、赤字機種の削減と黒字機種の増加、原価企画力の強化も行う。

 ライフスタイルの変化が直結するBtoCは、5~10年先の生活環境の変化が読みにくいため、今一度、他社にはない〝ユニークバリュー〟の強化を目指す。現在は注力製品のオゾン除菌消臭器「オゾネオ」と、グループのマクセルイズミが手掛けるシェーバーの2製品分野で新製品の企画開発を進めている。

 他社との同一優位性を追いかけても勝てない。アイデア出しの段階から市場のニーズを徹底的に意識することで、キラーコンセプトを持ったオンリーワンの製品を生み出せるはずだ。

 実現していくために、マクセルブランドの誇りをかけた新製品開発には、企画や設計など各部署のエースを集めたプロジェクトチームで挑むことにした。これにより、部門を横断してより密なやりとりができるようになった。

 健康機器の主力製品であるオゾネオは、新型コロナウイルスの感染拡大でオゾンが注目されて引き合いが一気に増えた。現在は材料の高騰や部品不足、為替の影響などを受けて厳しい状況に置かれているが、除菌に対する意識は高く、需要は底堅いとみている。

 除菌消臭器は、ニーズの多様化に伴い、競合も多い。だからこそマクセルにしかできないキラーコンセプトを持つオゾネオを届けたいと考えている。

 マクセルの理美容機器を代表するシェーバーはコロナ禍の外出自粛の影響を受けた製品の一つだが、4月の新生活需要や6月の父の日需要もあり、回復しつつある。

 23年度に向けてイズミブランドの技術を最大限に生かした新製品の開発に着手した。国内のシェーバー市場は寡占化し成熟しているものの、当社の強みを最大限生かすことでシェア拡大のチャンスはあると考える。競合他社との違いを明確にして部品のリニューアルなども行いながら価格競争力を高めていく。

 新製品の開発だけでなく、環境や社会問題にも積極的に取り組む。カーボンニュートラルへの対応として30年に、マクセル全体でCO₂排出量を13年度比で50%以上削減を目指す。