2022.07.01 【家電総合特集】アキュフェーズ鈴木雅臣社長
AB級パワーアンプ新製品に期待
秋に50周年記念モデル完結の第5弾
当社は今年6月1日で創立50周年を迎えた。長きにわたり社業を継続できたのは、お客さまや販売店、取引メーカー各社など、全ての関係者の支援があってこそだと思っており、感謝の念に堪えない。
今後も「自らが感動する世界第一級の製品を製造し、正しく販売し、技術的にも、営業的にも業界の質的リーダーになる」という、創業時に掲げた基本理念を守り、こだわりのモノづくりとお客さま目線のサービス体制を貫いて、60年、70年とさらに先を目指していきたい。
2022年のオーディオ市場は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて年初は低迷したが、春ごろから各所で試聴会などのイベントが開催されるようになり、活気が戻ってきたと感じている。
そうした中で当社は、3月下旬に大出力AB級ステレオパワーアンプ「P-7500」を発売し、現在まで好調に販売を伸ばしている。
P-7500は15年に発売した「P-7300」をフルモデルチェンジした機種となる。A級パワーアンプの「A-250」や「A-75」の開発で培った低雑音テクノロジーに、バイポーラートランジスタ10並列プッシュプルの強力なAB級動作の出力段を融合させた。
出力電力は、チャンネル当たり125W/8Ωから2.4倍の300W/8Ωへ増強しており、これに伴いスピーカー端子の短絡事故を未然に防ぐ保護回路も強化して安全性を高めた。
ハイパワー化により、低能率なスピーカーであっても強力に駆動できるようになった。また、能率がそれほど低くないスピーカーを駆動する場合にはハイパワーと駆動力の高さが音楽再生の〝余裕〟となって、感動に結び付くものと確信している。
実際、P-7500の再生音に対しては、ハイパワーアンプの評価にありがちな「エネルギー感」や「力強さ」ではなく、多くのお客さまから「音色が濃い」「演奏の感情表現が良い」「滑らかで温もりがある」といった音の質で評価をいただいている。
当社ではAB級アンプよりもA級アンプの販売が伸びる傾向にあるものの、その牙城を崩してくれるのではないかと大いに期待している。
ここ3年は創立50周年記念モデルの投入に力を入れてきた。19年に純A級プリメインアンプの最高峰「E-800」、20年にプリアンプの最高峰「C-3900」、21年にフラッグシップSA-CD/CDプレーヤー・システム「DP-1000」「DC-1000」とAB級プリメインアンプの最高峰「E-5000」を発売。いずれも好調に販売台数を重ねている。
今年は、50周年記念モデルを完結する第5弾の製品を、秋に発売する。
記念モデルのほかにも魅力的な製品の投入を予定している。より深化した製品の販売を続けることで、お客さまの要望に応えていきたい。