2022.07.01 【家電総合特集】シャープ菅原靖文Smart Appliances & Solutions事業本部長
夏物商品の供給体制を万全に臨む
健康志向・安全・省力化・節約、ニーズに応え需要を喚起
2022年は、1月以降事業環境の厳しさが続いている。ある程度前年を下回ることは想定内だったものの、新型コロナ感染症のまん延、部品不足、物流の混乱、素材高騰、エネルギー価格の上昇に加え、上海ロックダウンの影響は大きかった。
こういう状況の中でも当社のウォーターオーブン ヘルシオやヘルシオ ホットクック、プラズマクラスター冷蔵庫・ドラム式洗濯乾燥機といった商品はシェアを伸ばし、われわれが意図した通りの手応えを得ている。厳しい中で、それなりの戦い方はできたのではないかと考えている。
4~6月期は、コロナ禍も落ち着きを見せ始め、4~5月だけ見ると底堅く推移しており、前年と比べれば厳しいが、ヘルシオや冷蔵庫、ドラム式洗濯乾燥機などを中心に堅調に推移した。
ボーナス商戦を控えた直近の状況は、暑さが続いており、夏も平年か、それ以上の暑さが予想され、冷蔵庫、エアコンなど夏物商品の動きには期待したい。
これら夏物以外に力を入れているAIoT家電については、6月からストックアシストも加え、現在12カテゴリーで710機種までラインアップ。
3月にスマートライフ事業戦略を発表した際にも、AIoTと独自技術、デザインでお客さまの暮らしに役立つ商品の創出とソリューション事業の融合、クラウドサービス事業への参入という方向性を明らかにしたが、冷蔵庫やドラム式洗濯機はスタイリッシュなデザインも好評で、AIoT家電全体としては意図通りの評価をいただけている。
今期は上海ロックダウンの影響が大きくエアコン、洗濯機などで国内向けの供給が遅滞するなど厳しい状況だったが、現在ロックダウンも解除され、現時点で上海の工場はフル操業に入っており、今後供給の遅れを解消していきたい。エアコン、冷蔵庫など夏物商品は販売店に入荷がいつになるか、しっかり情報提供し、万全の商品供給体制で臨みたい。
一方、海外は堅調に伸ばせており、ASEAN、米州、欧州でしっかり現地ニーズに応える商品戦略で、さらに拡大加速を目指す。
海外市場ではいち早く欧米が立ち上がり、特に米国でのビルトイン型オーブンレンジの引きが強く注文残を抱える状況だ。ASEANでは冷蔵庫の大容量化や洗濯機ではドラム式洗濯乾燥機が売れる地域も出てきており、当社の付加価値商品が健闘している。
後半戦に向けても電気代値上げ、物価高騰、円安など不透明な状況は続くが、新しい生活様式が浸透しており、健康志向、安全、省力化、節約ニーズに応えられる商品創出で、しっかり需要喚起に取り組みたい。
電気代高騰の中、エアレストのような省エネ家電が注目され、内食化の浸透で簡単においしく調理できるヘルシオ ホットクックが好評だ。また健康・清潔志向を背景にプラズマクラスターイオン搭載機器の販売が伸びるなど、まだまだ白物家電で伸ばせる余地は十分にあると考えている。