2022.07.08 【電子部品技術総合特集】ニチコン古矢勝彦執行役員NECST事業本部技師長
古矢 執行役員
社内外と連携を強化、強み発揮し製品開発加速
ニチコンは、中期成長目標「Vision2025」に向けてナンバーワン、オンリーワンの革新的な製品・技術開発体制を強化。環境課題、社会課題の解決に貢献する製品開発を加速する。
古矢勝彦執行役員NECST事業本部技師長は「ESG、SDGs、カーボンニュートラル、サステナビリティーなど、当社にとり大きな追い風が吹いている。この風をしっかり受けて、世の中が求めている技術や製品、システム、サービスを迅速に開発し、提供していくことが重要だ。社内外との連携を強め、当社の強みを発揮し、成長戦略を推し進めていく」と話す。
競争力強化、価値創造、品質向上、人材育成の研究開発という基本方針の下、コンデンサ事業本部は成長製品の導電性高分子アルミ固体、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解、チップアルミ電解の各コンデンサーや、EV・HV用フィルムコンデンサー、新規製品の小形リチウムイオン二次電池、放熱シートに注力。技術センター(ニチコン大野第3工場内、長野県安曇野市)、設備センター(ニチコン岩手内、岩手県岩手町)、ニチコン草津(滋賀県草津市)で研究開発を加速する。
NECST事業本部は開発センター(ニチコン亀岡内、京都府亀岡市)で公共・産業用蓄電システム/V2H/急速充電器/外部給電器/分散電源、電源センター(東京都中央区)で家庭用蓄電システム/スイッチング電源の研究開発を強化。海外は中国・無錫工場内にR&Dセンターを置き、アルミ電解コンデンサーと電源の現地ニーズに応えている。
社外との連携も積極的に進める。京都大学発スタートアップのエネコートテクノロジーズ、日清紡マイクロデバイスと共同開発のフィルム型ペロブスカイト太陽電池採用電子棚札の事業化を急ぐ。大阪大学とは電源用SiCパワーモジュールを京都大学とともに共同開発したほか、昨春から産業科学研究所とフィルムコンデンサー生産技術の共同開発を始めた。
2016年に包括提携した東京大学生産技術研究所とはアルミ電解コンデンサー素材やNECST製品のネットワークシステムに続き、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーの最適材料の研究開発を始めた。