2022.07.08 【電子部品技術総合特集】京セラ仲川彰一執行役員研究開発本部長、グループシナジー創出
仲川 執行役員
研究開発に横串で社内連携
京セラは、経営理念の実現と経営思想の達成を、研究開発本部でも徹底する。
仲川彰一執行役員研究開発本部長は「京セラの経営理念、経営思想はいつの時代にも不変だが、まさに今の時代にぴったりだ。ウェルビーイングにもつながり、京セラらしさもそこだと思う。競争と共創によるスパイラルアップも環境課題、社会課題の解決スピードを上げる取り組みとして非常に重要だ。社内外との連携をさらに強めていく」と話す。
2021年1月に京都の大学、企業で設立した〝京都クオリアフォーラム〟に同社も参画。社会課題の解決、新産業の創出、人材育成に取り組んでいる。
開設3年になる「みなとみらいリサーチセンター」は環境エネルギー、通信、モビリティーを主テーマにオープンイノベーション拠点として実績を積み上げる。今年4月、同センター内にローカル5Gシステムによる高速大容量通信を体験できる「ローカル5G共創ルーム」を開設。各パートナーとの共創活動を加速する。21年12月には横浜中山事業所内に公道を模した全長400メートルのテストコースを新設。利用企業とともに路車協調による安全なモビリティー環境の実証試験を開始した。
社内連携もコアコンポーネント、電子部品、ソリューションの3事業セグメントの研究開発に横串を通し、材料、デバイス、機器・システム、ソリューションの垂直統合でグループシナジーを創出。つながりと交わり、混ざり合いで新たな価値創造を図る。
「けいはんなリサーチセンター」を「先進マテリアルデバイス研究所」とし、導体部品と電子部品の事業部開発部門の連携を強化。鹿児島国分工場内で材料技術の研究を行う「ものづくり研究所」「生産技術部門」「分析部門」の開発部門を新研究棟に集結し、9月から「霧島R&Dセンター」として始動する。10月初めに開所式を行い、社外技術者を含めた交流の場にも活用していく。20年に完全子会社化した京セラAVXコンポーネンツの欧米の研究開発部門とも総合的連携を図り、米国研究開発拠点づくりも検討する。