2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】シナダイン小回り利く機動力で商材拡充、人員増強や育成に注力

吉田 社長

 シナダインは、大手にはない小回りの利く機動力を強みに、台湾をはじめ米国、欧州、豪州など海外半導体、光エレクトロニクス関連の特徴ある商材の拡充によって事業を拡大している。

 吉田一社長は「各国での感染症対策、地政学的リスク、電子部品・デバイスの供給不足など懸念材料がある半面、電子産業はカーボンニュートラルへの対応、デジタル化投資の加速などから需要が拡大している」と事業環境を分析。

 「当社は成長性や安定性のある通信、ヘルスケア、産業機器、環境技術、車両、鉄道などの市場開拓に努め、2022年3月期業績は前期比大幅増収増益だった」と語る。

 22年度は引き続き、テレコム(第5世代移動体)、データコム(サーバー)、放送・カメラ・映像(4K/8K放送関連機器)など通信分野に力を入れるほか、産業機器やIoT、カーボンニュートラルといった成長が期待される市場に向けた商材やソリューションの提供を拡充する。

 「新たな商材、新たな事業の柱を構築するためにも、人員の増強と人材育成に取り組む」(吉田社長)。

 新規商材として、40ギガbpsの伝送帯域を有し、最長50メートルのケーブル長でフレキシブルな接続を可能にする台湾Pasidal社製のThunderbolt3アクティブ光ケーブルを提案。

 血中酸素飽和度(SpO2)を測定するスマートウオッチ型パルスオキシメーター向けの台湾tBPC社製反射式PPGセンサーモジュールの引き合いも増えている。

 さらに、薄型のラミネートタイプながら大容量・高電圧・低ESRを実現した豪州CAP-XX社製のDMT/DMFスーパーキャパシター、台湾P-DUKE社製のAC-DC電源モジュール/DC-DCコンバーターなど、特徴ある商材を多数そろえる。

 昨年11月に開催された「鉄道技術展2021」に出展したほか、今月20日から3日間、東京ビッグサイトで開かれた「テクノフロンティア2022」の電源システム展では、P-DUKE社製品を紹介した。