2022.08.09 働く現場の暑熱対策に〝熱〟ヘルメットにデバイス、機能素材活用も

展示会で訴求する村田製作所

 猛暑の時期が続く中、職場での熱中症などを防ぐ暑熱対策が改めて注目されている。空調システムなど従来型の対策も広がっているが、それに加えて、電子部品各社のIoT技術や、機能性素材の力などで従業員らを守る取り組みも進んでいる。

 背景にあるのは、働く現場の実情。高齢化や就業者減、労災などの課題の中、「一人作業では、当人が集中して異変に気付かないなど、トラブル把握が遅れるリスクがある」といった困り事も、企業側にある。ウエアラブルのデバイスなどの活用が期待されているが、腕時計型などではうっかりの着け忘れもある。

 そこで、「まず着け忘れがない」ヘルメットに着目する開発も進む。村田製作所の手掛けるモニタリングシステムは代表的なもの。ヘルメットにセンサーデバイスを付けられ、作業者の生体情報や環境をリアルタイムに収集などする。小型軽量化も進め、転倒など「ヒヤリハット検出」を搭載した新モデルも。帽子にも展開を想定し、業種拡大を見込む。

 ほかにも、機能性素材を活用して体調不良の兆しを検知するサービスも進んでいる。
(10日付の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)