2022.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】東芝情報システム 渡邉一正社長70周年に向け技術力の向上図る
当社は昨年10月、組み込みソフトと半導体設計を行うエンベデッド事業の専門会社として新体制に移行した。コロナ禍で経済環境は依然厳しい状況だが、2022年度上期業績は計画を上回って推移している。
当社の組み込みソフトは、車載機器や社会インフラなどで事業展開しているが、売上高の約半分を車載関係で占める。デンソーとも資本提携し、エンジン制御、自動運転制御などが強みだ。電動化(EV化)への流れが加速して市場も好転しており、電動化の流れにいち早くかじを切り、22年度も車載関係を中心に好調に推移している。
半導体設計は大手企業からの引き合いも多く、21年度に引き続き22年度も順調を持続している。次世代製品の設計を主体に事業展開しており、半導体不足の影響はほとんど受けず、事業計画も上回っている。
22年度下期も、世界的な景気の不透明感はあるものの、上期の好調を持続。通期では当初の計画を上回る形で推移する見通しだ。
組み込みソフトは新体制移行に伴い、東芝デジタルソリューションズから高い技術力を持つ約100人の部隊が合流し、従来の受託ビジネスに加え、新規の商品、ソリューションの開発を強化した。精度を維持してディープニューラルネットワーク(DNN)モデルを高速化する「DNN高速化サービス」や光の反射でナノレベルの微細な傷も検出できる光学検査技術などを発表している。
半導体設計はメモリー、センサーに加え、5G関連をはじめ、さまざまな分野の先端設計を強化していく。
一方、事業のさらなる拡大を図るため、組み込みソフト技術者、半導体設計技術者の確保が求められる。当社自身の技術者増強とともに、パートナーとの連携も強化する。
当社はこの8月で創業60周年を迎えた。次の70周年に向けて技術力の向上を図り、高度なエンジニアリングと付加価値の高い製品、サービスの幅を広げていきたい。高度で大規模なシステムに対応できる強みを生かし、業界屈指の専門企業を目指す。