2022.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】東芝デジタルソリューションズ 岡田 俊輔社長 〈東芝執行役上席常務CDO〉量子技術の産業化まで視野、デジタル戦略をリード
製造や電力・社会インフラなどの多彩な業種に向けたデジタルソリューションを手掛けている。長年培ったIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)、データの活用技術に加えて、運用やセキュリティーなどの技術も用いて、顧客に最適なソリューションを提供している。
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタルの力で企業プロセスや取り巻くバリューチェーン(価値連鎖)を最適化するデジタルエボリューション(DE)と、そこで出てくるデータを活用し顧客同士をマッチングするなどの新しい価値を生み出すDXに分けられる。二つを大切に事業を展開している。
東芝ならではの価値は、フィジカル(実世界)から集めたデータをサイバー空間で分析・活用し実世界に付加価値を与える「サイバー・フィジカル・システム(CPS)」だ。
具体的な取り組みの一つが、製造業向けソリューション「Meister(マイスター)」シリーズを中心に強靭(きょうじん)なサプライチェーン(供給網)を構築し工場経営を効率化するもので、続々とサービスを打ち出している。例えば、AIで製品の検査を自動化したり、現場作業を見える化したりするパッケージを提供している。
量子技術が経済や社会に大変革をもたらすクオンタムトランスフォーメーション(QX)は、産業化の入り口に立っている。得意とする量子暗号通信では、英通信大手BTなど各国企業と連携し商業化に向けた実証実験を進めている。「これを使ったら何ができるだろうか」について検討しながら実産業につなげる。
世界をより良い場所にするため、データやデジタルの力を駆使したい。DEとDX、そしてQXまで見据えて研究開発投資をきちんと行い、未来に向けて顧客のパートナーであり続けたい。
東芝グループが新しい経営方針で強くデジタルとデータの戦略を打ち出した。デジタル領域のリーディングカンパニーとして東芝デジタルソリューションズがグループを引っ張り、CDO(最高デジタル責任者)としてもリードしたい。