2022.09.07 【JASIS2022開幕特集】10周年の記念開催
10周年の記念開催となる「JASIS2022」(写真は前回の展示会場)
アジア最大級 分析・科学機器展
分析機器経営トップが座談会
最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS(ジャシス)2022」が7~9日の3日間、幕張メッセ国際展示場(千葉市美浜区)で開催される。主催は日本分析機器工業会と日本科学機器協会。アジア最大級の分析機器・科学機器関連の展示会で、キャッチフレーズは「未来発見。」。今年は10周年の記念開催となる。
JASIS(Japan Analytical&Scientific Instruments Show)は2012年、日本から世界の科学技術の発展に貢献するための展示会としてスタート。日本分析機器工業会主催の「第50回分析展」と日本科学機器協会の「第35回科学機器展」を機に、合同展の統一名称として定められた。
今回、出展社数は321、小間数は982でいずれも昨年実績(270社、872小間)を大きく上回る規模となる。
10周年記念企画として7日、分析機器メーカー4社のトップ経営者が座談会を開催する(会場はホテルニューオータニ幕張)。島津製作所の山本靖則社長、日本電子の大井泉社長兼CEO、日立ハイテクの髙木由充常務執行役員CDOアナリティカルソリューション事業統括本部統括本部長、堀場製作所の足立正之社長が登壇する。
「研究環境の進化と科学・分析機器の未来~社会課題を解決に導く研究インフラのあり方」をテーマに、総合科学技術・イノベーション会議の波多野睦子議員、東京工業大学企画本部戦略的経営室の江端新吾教授と意見を交換する。
「JASISトピックスセミナー」(コンベンションホール会場A・B)は、分析・科学機器業界注目のトピックスごとに専門家や有識者が講演や解説を行う。カーボンニュートラルの分野では、「二次電池の現状とこれから」と題し、エンネットの小山昇社長がリチウムイオン電池(LIB)を秒速で診断できる開発装置を、JFEテクノリサーチの島内優取締役が最新のLIB評価・解析技術を用いた事例をそれぞれ紹介する。
コロナ禍でラボの自動化や高効率運用が課題となる中、デジタルトランスフォーメーション(DX)の中心テーマは「マルチベンダーシステム環境での機器運用と計測データ・オンライン活用」。マルチベンダー機器で構成されるラボシステムの「自動化の浸透とスマート化の課題」などについて、ヤマト科学、ラボ・デザインシステムズ、デンソーウェーブ各社の担当者がシステム実装事例も交えてプレゼンテーションとディスカッションを行う。
昨年企画された発信拠点「JASISトピックスステージ」は、「JASISスクエア」に進化する(5ホール)。会場内のステージエリアで電池・材料や脱炭素、ヘルスケアなどをテーマにディスカッションや座談会、プレゼンを実施する。
初日はステージエリアで報道関係者を対象にした記者会見とJASIS2022のメッセージ発信を行う。
「我が社『イチ推し』フラッシュプレゼンテーション」では、JASIS出展社が入れ替りで特に推奨する製品や技術を短時間でプレゼンする。
ラボのDXをテーマにした「LabDXデモ展示エリア」では、業界トレンドである「ラボラトリー・デジタルトランスフォーメーション」の最新動向やラボの将来像を実現するための課題解決のポイントや視点をデモンストレーションを通して紹介。「試料の計測/分析機器へのセットの自動化例」、「遠隔モニター/操作例」、「データ統合・解析・評価の環境例」などのデモを展示する。
新たな主催者企画として「研究機関・学協会コーナー」、「インターナショナルオーガナイゼーションエリア」を集約したほか、JASISとしての情報発信力も強化する。来場者は注目のグローバル関連の展示・プレゼンテーションや関連研究機関の情報を一度に得ることができる。
JASIS事務局では「オープンな雰囲気の中、トピックスセミナーの講演者と近い距離で話せるイベント。ぜひ来場者には気軽に立ち寄ってほしい」と話す。
「海外トピックス」としては、米国大使館商務部の杉浦晶子商務専門官が米国製品・サービスの輸出や日本企業の対米投資促進活動の最新状況を報告。日本分析機器工業会国際委員会委員からは、海外活動パートナーの各国友好団体の中で、特に活動が活発な米国や欧州、東南アジア各国と中国の協会をそれぞれ紹介する。
バーチャル展示会「JASIS WebExpo」は7月6日から先行展開し、会期を挟み3月15日まで開催する。各種展示会の中でも長期間公開するのがJASIS WebExpoの特徴だ。セミナー動画を約60本公開。バーチャル展示会場内を回遊して訪問し、コンテンツを閲覧できる。
閲覧サイトも視覚的に見やすくリニューアルした。当日、会場を訪れるのが難しい人に向けた情報発信にも注力し、事務局では「さらに充実・発展させたい」としている。