2022.09.15 置き去り防止の検知技術にも注目 電子部品から共創で社会課題に取り組み
センサー技術などを紹介する村田製作所の共創プログラム=横浜市西区
保育園の送迎バスなどに子どもが置き去りにされ、犠牲になるような痛ましい事件・事故が改めて問題になる中、人を検知し、置き去りを防ぐ技術が注目されている。電子部品大手として、それを手掛ける1社が村田製作所。スタートアップなどを支援する共創プロジェクトの説明会で、技術の一端を披露する場面もあり、関心を集めた。
同社が進めるのは、車内の幼児置き去りをWi-Fi電波で検知するソリューション。設置場所の自由度の高さや検知力の高さが特徴で、カメラだと設置が難しいようなシーンでも設けやすい。幼児の呼吸程度の小さな動きも正確に検知し、人形などと識別もできる。自動車に最適な高信頼性のモジュールで、車室内のリアルタイム検知を実現する。
同社がハードウエアを使うスタートアップなどを支援し、共創を広げるプロジェクト「KUMIHIMO Tech Camp with Murata」。このほどあった説明会でも、社会課題に対応する技術の一例として紹介された。
担当の岩坪浩専務は「こんな悲惨な出来事は、二度と起きないでほしい。当社の技術は事件後、たまたま注目されているが、以前から取り組んでいるものです。事業としての採算は別にしても、すべての送迎バスにこうしたセンサー類が搭載されるようになれば」と展望した。
(16日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)