2022.09.20 ノベルクリスタルテクノロジー、酸化ガリウムトランジスタ開発へ前進 反転型DI-MOSFETで基本動作確認
酸化ガリウムMOSFETの実用化に向け一歩前進したノベルクリスタルテクノロジー
ノベルクリスタルテクノロジー(NCT)は20日、しきい値電圧6Vを有する高耐圧1kVの酸化ガリウム(β-Ga₂O₃)反転型ダブルインプランティドMOSトランジスタ(DI-MOSFET)を試作し、基本動作を確認したと発表した。
NCTでは、中高耐圧(0.6~10kV)の酸化ガリウムトランジスタの開発が大きく前進するとし、太陽光発電向けパワーコンバーターや産業用汎用インバーター、電源などのパワエレ機器の効率向上や小型化に寄与できると期待される。
今回、電子を捉えて負に帯電する半導体中の不純物(アクセプタ不純物)の窒素をイオン注入し、活性化熱処理工程を経て添加した高抵抗Ga₂O₃層をウエル層に使用。トランジスタで電流が流れ始めるゲートの電圧(しきい値電圧)で十分に高い6.6Vを有する高耐圧1kVの酸化ガリウム反転型DI-MOSFETの基本動作に世界で初めて成功した。
今後、試作に成功した反転型MOSトランジスタのN添加β-Ga₂O₃高抵抗層の特性解析を進める。4インチ量産ファウンドリーラインで試作・開発を進め、25年の実用化を目指す。
(21日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)