2022.09.28 KDDIなどがVRで「ながらスマホ」の危険を周知 さいたま市で体験会

初めてのVRに戸惑いながらも体験する参加者

 【さいたま】自転車運転時の「ながらスマホ」の危なさを、VR(仮想現実、バーチャルリアリティー)を使って体験する催しが22日、さいたま市北区役所で開かれた。KDDI北関東総支社と埼玉県警大宮署が、秋の全国交通安全運動に合わせて行い、市民らが参加した。

 参加者はVRゴーグルとヘッドホンを装着。片手でブレーキを、もう片方の手にスマートフォンのモックを持って「ながらスマホ運転」と、通常の自転車運転をそれぞれ疑似体験し、視野の広さやブレーキ反応速度の違いを体感。ながらスマホの危なさを認識した。

 体験会に使ったVR装置は、2018年にKDDIとau損害保険が共同開発した。KDDI北関東総支社管理部広報担当の内藤弘行氏は「私たちには、サービスを提供するだけではなく、(スマホ購入の)その後も安心・安全に利用していただくようフォローする責務がある」と話す。

 参加者からは「(ながらスマホは)注意されないと自分では危険に気づきにくい」「実際に、ながらスマホ運転の危ない場面に遭遇したことがある」「子どもにも体験させたい」などの感想が寄せられた。

 この体験会がVR初体験という人もいて、VR自体に興味を持ったという声も。 体験会は各地のイベント会場や高校などで開かれており、ながらスマホ防止を促す授業キットの提供も行っている。埼玉県警大宮署交通課の成田薫警部補は「啓蒙(けいもう)活動はすぐに効果が表れるものではないが、場所を変えて今後も開催したい」と話した。