製造装置商社・マス商事は、ヤマハ発動機（ロボティクス事業部）代理店として実装機を中心にプリント基板検査装置、クリームはんだ印刷機などSMTに関わる装置を幅広く扱う。日本国内のほか、中国（蘇州、深圳）、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム（ハノイ、ホーチミン）、メキシコ、インドに営業拠点を構えて、海外展開する日系企業向けのビジネスに対応している。海外営業は大金裕和営業統括本部執行役員が統括している。

　現在、タイのビジネスを拡大している。マストレーディング（タイ）の岩崎壽一郎ゼネラルマネージャー（GM）は「タイは家電など日系企業が数多く進出している。タイ市場はコロナ禍から景気が回復し製造業の設備投資もコロナ前に戻りつつある。製造業の部品不足は継続しているが、コロナの行動規制が緩和に伴って車載やエアコン向けなどSMT需要は順調に拡大しており、売り上げも計画通りに推移しており、今後も見通しは悪くない」と語る。

　ヤマハ発動機は実装機、はんだ印刷機、基板検査装置などSMT実装ラインの主力機器を全てヤマハブランドで構築可能な「ワンストップスマートソリューション」を推進する。岩崎GMは「これまでは実装機と印刷機はヤマハ製だったが、検査機もヤマハ製に変えて一貫したラインを構築したい、といった顧客が増えている」と、ワンストップスマートソリューションの提案で成果を上げている。

　ヤマハ発動機は新製品を拡充しており、岩崎GMは「ヤマハ製品をしっかり顧客に訴求したい」と述べ、実装機YRM20、YSM20R、印刷機YSP10、YCP10、検査機YSi-V、YRi-Vなどに注力。

　コロナ前には米中貿易摩擦の影響で中国からASEANに生産拠点をシフトする日系企業が多かったが、今は落ち着いている。一方で「タイプラスワン」として近隣のベトナムなどに生産拠点を設ける動きもある。岩崎GMは「ASEAN域内でのサービス技術者の顧客に対する横断的なサポートも積極的に行っている」と話す。営業やサービスの人員増強を進め、タイには女性の営業担当者を日本から配転するなど新しい試みも行っている。