NTTは29日、京都府内にデータセンター（DC）を建設すると発表した。クラウドの利用拡大を受け、総額約400億円を投じて関西圏でのサービス拡充を目指す。グループ会社のNTTコミュニケーションズが 2025年度下半期からサービスを開始し、関西圏の市場規模は 26年に電力容量で約500メガワットまで拡大する見込み。

　新設する「京阪奈データセンター（仮称）」は、大阪市や京都市、奈良市の中心からいずれも車で1時間以内にアクセスできる京都府精華町に立地。建物は地上4階建て免震構造で、合計30メガワットのIT機器向け電力容量を約1万900平方メートル（4800ラック相当）のサーバールームに安定供給する。NTTのDCとしては、大阪第7と並び国内最大規模となる。

　今後も増加が見込まれる関西圏のDC需要を取り込むとともに、NTTが提唱する光技術による情報通信基盤「IOWN（アイオン）」構想の商用化に向けた研究拠点とする。

　今回のDC事業を手掛けるNTTグローバルデータセンターの鈴木康雄社長は「景気が落ち込む中でもDCは働き方改革、デジタルトランスフォーメーションの進展でクラウドなどの需要が膨み、大きく成長している。低遅延、大容量の通信サービスだけでなく、柔軟な接続性を提供していきたい」と話した。

（10月3日付の電波新聞／電波新聞デジタルで詳報します）