2022.09.30 日立、送配電の日立エナジーを完全子会社化 ABBから株式追加取得

 日立製作所は30日、約80%の株式を保有する送配電子会社「日立エナジー」(スイス・チューリッヒ)を完全子会社化すると発表した。スイス重電大手ABBが保有する約20%の株式を16億7900万ドル(約2180億円)で取得する。これを弾みに、デジタル技術を組み合わせ、エネルギー転換が進む世界の電力市場の開拓で攻勢をかける。

 取得価格は、買収時の事業価値評価に基づいて算定。規制当局の承認を前提に、12月までの株式取得の完了を予定している。

 日立は2018年、ABBから送配電事業を買収すると発表。20年には、68億5000万ドル(約7400億円)を投じて、80.1%の株式を取得した。残る19.9%については23年以降に追加取得する予定だったが、成長戦略を加速するため、完全子会社化の時期を前倒ししたという。

 既に日立と日立エナジーは連結子会社化以来、デジタル技術とエネルギー技術の融合によるシナジー効果を追求。例えば、人工知能(AI)やデータを駆使して送電網などの設備の点検効率化を支援するソリューションを提供している。