2022.10.12 【日本ロボット工業会創立50周年特集】ロボット密度、19年は平均113台 シンガポールがトップ 韓国2位、日本3位、中国15位
2019年の世界の製造業におけるロボット密度は平均113台となり、過去最高を記録した。ロボット密度とは、従業員1万人当たりの産業用ロボット稼働台数を表す。これを用いることで、変化が続く自動化競争において、経済規模が異なる国同士を経時的に比較できる指標になる。
地域別にみると、西欧(225台)および北欧諸国(204台)で最も自動化生産が進んでおり、北米(153台)、東南アジア(119台)が続いている。
国別で上位10カ国はシンガポール、韓国、日本、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、香港、台湾、米国、ベルギー/ルクセンブルクと続く。
19年のロボット密度が世界第1位は前年に引き続きシンガポールであり、918台であった。シンガポールにおける産業用ロボットの最大の導入先は、半導体やコンピューター周辺機器を中心とするエレクトロニクス産業であり、同国における稼働台数全体の75%を占めている。第2位は868台の韓国である。韓国はサムスン電子やLGといったトップ企業を擁し、液晶ディスプレーやメモリーチップ製造において市場をけん引するとともに、自動車や電気自動車用バッテリー製造の主要な製造拠点でもある。
第3位は364台の日本、第4位は346台のドイツ。日本は世界屈指のロボット生産国であり、ロボットを組み立てるロボットまで存在する。世界全体で生産されたロボットの47%が、日本で生産されたものである。日本で稼働中の産業用ロボットのうち34%を電気・電子産業、32%を自動車産業、13%を金属・機械産業が占めている。ドイツは欧州最大のロボット市場であり、欧州の産業用ロボットの38%が同国の工場で稼働している。ドイツの自動車産業におけるロボット密度は世界最高水準にある。同業界の雇用者数は上昇中であり、10年は72万人であったが、19年には約85万人に増加している。
スウェーデンは274台で、前年に続いて第5位。同国で稼働中のロボットのうち、金属産業および自動車産業がそれぞれ35%を占める。
米国のロボット密度は228台に増加した。同国の自動車市場は、前年に引き続き中国に次いで世界第2位となった。また、自動車生産量も世界第2位の規模であった。米国と中国はともに、世界の自動車メーカにとって極めて競争の激しい市場であるといえる。
中国のロボット密度は大きく上昇し続けている。現在、製造業における中国のロボット密度は世界第15位であるが、同国は自動車製造に加え、電子機器、バッテリー、半導体、マイクロチップの主要製造国でもある。