2022.10.13 政府、24年秋に現行の健康保険証廃止 マイナンバーカードに一体化へ
記者会見に臨む河野太郎デジタル相=13日
河野太郎デジタル相は13日に開いた記者会見で、現在の健康保険証を2024年秋に原則的に廃止し、マイナンバーカードに一体化させる方針を明らかにした。さらに運転免許証と一体化する時期についても、当初予定していた24年度末から前倒しする方向で検討を進めたい考えだ。
マイナンバーカードの普及と活用促進に向けて関係省庁が、岸田文雄首相の指示のもとで協議。この結果を踏まえて河野デジタル相が、今回の方針を表明した。
現行の健康保険証を原則廃止する方針は、政府が6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)で打ち出していた。今月中に取りまとめる総合経済対策にも、免許証や保険証などの各種カードのマイナンバーへの一体化を加速する方針を盛り込む。免許証と一体化させる時期の前倒しに向けては、警察庁と連携して検討するという。
会見で河野デジタル相は「デジタル社会を新しく作っていくための、マイナンバーカードはいわばパスポートのような役割を果たすことになる」と強調した。
さらに、スマートフォンにマイナンバー機能を搭載する計画にも言及。米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を組み込んだスマホで、来年5月11日からサービスを利用できるようにする方針も示した。
マイナンバーカードと保険証の一体化がもたらす効果についても触れ、「就職や転職、退職のたびに保険証を切り替える必要がなくなる。また、医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)を考えたときに、マイナンバーカードをはじめとする基盤整備が必要になってくる」と説明。続けて、「将来的な医療の質の向上など、さまざまなことで利便性が高まっていくと思っている」と力を込めた。
政府は、マイナンバーカードを来年3月までにほぼ全国民に行き渡らせる目標を掲げている。総務省によると、マイナンバーカードを保険証として利用できるよう登録した人にポイントを付与する「マイナポイント」も展開しているが、カードの交付率は9月末現在で約5割にとどまっていた。