2022.11.15 【調理家電特集】家事負担軽減ニーズに応える
内食化が進み、多彩な調理家電商品で、より豊かな食生活が実現する
内食化が進み、家庭で調理する機会が増えて、調理家電への関心は高まっている。家庭でおいしく、簡単な調理から本格的なメニューまで、幅広い調理家電を使いこなすことで豊かな食生活につながる。健康、おいしさ志向や時短・省家事ニーズなどの拡大を背景に、今後も堅調な需要が見込める。
コロナ禍以降、在宅時間が伸び、家庭で料理する機会が増えたことで、調理家電商品群には注目が集まった。
在宅時間の増加は、調理、洗濯、掃除など従来と比べ家事全般の負担が増える。特に調理に関わる家事負担は、後片付けまで含め大変で、負担軽減へのニーズも強い。
このため、おいしく調理する一方、例えばオーブンレンジでは複数の食品を同時に調理したり、IoT機能と連携して、悩みの多い献立づくりをサポートするといった機能など、時短や省手間につながる機能が進化している。
炊飯器では少量時短炊飯機能とか、冷凍ご飯用のまとめ炊きコース搭載などのほか、パンやケーキ、蒸し料理、煮込み料理など調理機能を搭載する機種も注目される。中には時短調理ニーズに応え、おかずと同時調理するといった機能もある。
近年では、自動調理鍋への関心も高く、材料・調味料を入れれば、後はボタンを押すだけでおいしく調理できる〝ほったらかし家電〟として重宝される。
さらに先進のIoT技術を駆使し、食材の注文、献立提案、レシピの配信・追加といった、便利な価値を創出する動きも活発となっていて、調理家電は全体としてユーザーに寄り添った特長が充実している。
■市場動向
コロナ禍で、内食化が進んだことで、全般的に伸びた調理家電商品群も、2022年度は落ち着きを見せている。主力商品となる電子レンジ(オーブンレンジ)は、22年度上期(4~9月)の出荷額が前年同期比95%程度で推移し、20年度、21年度と2年連続で増加した反動により前年割れの推移となっている。
ただ、20年度が前年比9.6%増の363万台、21年度は同1.5%増の369万1000台の実績があり、21年度の場合、過去2番目に多い水準(日本電機工業会調べ)だったことから、前年割れで推移したとしても、比較的堅調な推移といえそうだ。
内食化が進み、家庭でおいしい料理を食べたい半面、手間をかけたくないというユーザーも多く、高機能オーブンレンジを中心に堅調な需要が見込めそうだ。
ジャー炊飯器も22年度上期は前年同期比95%程度で推移しており、20年度以降、連続してマイナスで推移している。ただ、おいしい炊き上がりを実現する高機能商品への関心の高さは持続している。
秋商戦では、調理家電商品群の提案に力が入る時期でもあり、オンラインでの料理教室の開催など、各社工夫を凝らしながら商戦の盛り上げに全力を挙げている。
パナソニックの主力製品
オーブンレンジ「ビストロ」NE-UBS10A/炊飯器「おどり炊き」SR-VSX1シリーズ
IoTで機能の進化が続く
パナソニックは、IoT対応のスチームオーブンレンジ「ビストロ」NE-UBS10A(庫内容量30リットル)や、スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「おどり炊き」SR-VSX1シリーズの提案で、秋商戦を盛り上げていく。
ビストロNE-UBS10Aは、独自の「ヒートグリル皿」と新設計のアンテナ制御により、予熱なしの高火力で麺やご飯の蒸し焼きメニューを一度に4人分までむらを抑えて一気に調理できるなど、さらに料理のレパートリーを広げ、ユーザーのおいしさ志向に応える。
「グリル皿調理」は、新アンテナ制御で電波効率を高め、裏面の発熱体を最高230度まで上昇させる独自のヒートグリル皿を活用し、大火力ヒーターやスチームとの掛け合わせで食材を加熱し、焼きもの・揚げもの・蒸しものからトーストまで調理できる。
高火力の実現で、これまで難しかった下段でも、予熱なしの調理ができる。下段が使えるため庫内を広く使え、ボリュームある食材をスチームと掛け合わせ、一気に蒸し焼きできる。冷凍食品も解凍なしで調理できる。
冷凍うどんで「焼きうどん」を作る場合、4人前まで作れる。人気の冷凍ギョーザも、グリル皿に並べるだけで、しっかり焦げ目をつけて焼ける。
好評の「ワンボウル調理」では、簡単な手順でおいしく作れるエスニックメニューが新たに加わった。同機能では高精細・64眼スピードセンサーで食材の分量を高精度に判定し自動で火加減調整しながら加熱でき、1人分のランチから4人分の夕食まで、耐熱ボウルに材料を入れて、後は任せきりでおいしく、幅広い調理メニューが楽しめる。
また、「キッチンポケット」アプリと連携し、購入後も日々の献立に役立つ新しい自動メニューが増やせる。
■新米も乾燥米もおいしく炊き分け
スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器おどり炊きSR-VSX1シリーズは、「おまかせ見極め炊き」を搭載。米の状態を見極めて大火力IH、可変圧力、高温スチームの3要素を自動でコントロールして炊き分け、新米も買い置きして乾燥した米もおいしく炊き分ける。
炊飯した後にご飯を冷凍保存する人が4割以上いることから、「冷凍用ごはん」コースも搭載し、冷凍・再加熱後もほぐれよく、粒の中まで柔らかいご飯になるように炊き上げる。
また、IoT対応により、キッチンポケットアプリと連携することで、その年の米の出来栄えに応じて炊き方を更新したり、銘柄を追加するなど、購入後もおいしさを進化させることができる。
好評の「スチーム保温」も進化しており、12時間後までに約10回スチームを噴射することで、保温中の乾燥を抑えて柔らかさを維持し、ご飯の黄ばみも抑える。