2022.11.30 ゲートなしで多人数認証 1分間に100人対応 NEC、強みの顔認証で新システム
「ゲートレス生体認証システム」の実演では、未登録者(右)が入場口を通過すると赤でアラートが表示された
NECは11月30日、施設に入場ゲートがなくても多人数を追跡・認証してスムーズな入場につなげる「ゲートレス生体認証システム」を開発したと発表した。同社が強みを持つ顔認証技術を生かして、カメラ映像から同一人物を追跡して顔情報で人物を照合し、多人数の同時認証を可能にした。1分間に約100人を処理できる。
今回開発したシステムは、一人一人が立ち止まることなくスムーズに認証し、事前に顔画像を登録していない人が通過した場合、利用者の頭上や床面などに設置したディスプレーで警告する。認証の際には、事前にダウンロードしたアプリやメールで本人に認証が完了したことを知らせる。
最大の特徴は、カメラ1台の認証設備で多人数を同時認証できる点だ。顔や体の一部が見えない人物でも服装の特徴で照合する「人物照合技術」と、動きの特徴で追跡する技術に加え、世界最高レベルの顔認証技術を組み合わせ、1台のカメラで1分間に100人以上を認証できるようにした。
NEC取締役執行役員常務兼CTO(最高技術責任者)の西原基夫氏は「今後の生体認証の金字塔となる技術」と胸を張った。
テーマパークや大規模工場などでの利用を想定して活用検証を進め、2024年度の実用化を目指す。
(12月1日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)