2023.01.01 【AV総合特集】’23展望 ブルーレイレコーダー
レコーダーの良さをいかに伝えていくかが今年のポイント
4K対応製品が増加
録画・再生機能の多彩さ訴求
ブルーレイ(BD)レコーダーの市場は、全体では減少傾向が続いているが、高精細4Kチューナーを搭載し4K放送を高画質で録画できる機種、放送丸ごと録画できる機種は底堅く推移していくとみられる。多くのテレビに録画機能が搭載されているため、簡単な録画をテレビで済ませる消費者は多いが、専用機ならではの録画機能や再生機能はテレビの録画機能では実現できない。主要メーカー各社もレコーダー製品を継続して展開しており、多様化する視聴環境への対応を具体的に示していくことがポイントになりそうだ。
国内のレコーダー市場は、年間150万台規模で減少が続いているが、電子情報技術産業協会(JEITA)によると4Kチューナーを搭載した4K対応BDレコーダーは拡大しており2021年は前年比18.0増の59万台となった。この先もレコーダー市場全体は減少傾向にあるものの、4Kレコーダーは増加する見通しで、26年には70万台にまで増えるとみている。
レコーダー市場は大きくないものの主要テレビメーカー各社は新製品を投入している。消費者の動きをみるとレコーダーの購買層の多くは買い替えが中心で、メーカー関係者によると「一度レコーダーを使った人は良さが分かるため、継続的に購入するケースが多い」とみる。逆に、一度レコーダーを使えば継続的なユーザーになる可能性が高いという見方もできる。
メーカー各社は既存のユーザー層だけでなく、新規の獲得を模索しているのが実情だろう。最近はテレビに録画機能が付き、主要なテレビは外付けのHDD(ハードディスクドライブ)を接続すれば番組録画ができる。録画のハードルは下がってきているものの、次のステップに行っていないのが実情だ。これをどのように専用レコーダーの購買につなげていくかが販促のポイントになってくる。
実際、専用レコーダーは録画機能や再生機能が多彩で、生活シーンに合わせて放送コンテンツが楽しめる。最近は新4K衛星放送の録画に対応した製品が増え、4Kチューナーを搭載した4K録画対応レコーダーも各社から発売されている。4K録画や4Kでブルーレイディスクへ保存できることも魅力だ。
製品展開もテレビと違い分かりやすい。各社とも大きくチューナー数と記録できるハードディスク容量で階層を分け、最近は複数チューナーを内蔵し多チャンネル同時録画できる製品が一般的になっている。上位機種が4K対応だ。
地上波だけでなく衛星放送も含め2番組同時に録画しながらほかの番組を視聴できるトリプルチューナー内蔵モデルも多い。4K衛星放送チューナーを複数搭載し4K放送の2番組同時録画ができる機種も増えてきた。地上波だけでなく4K放送も同時録画できることを魅力として伝えていくことも大切になってきている。
全録モデルなど
録画専用機の大きな特徴の一つが放送番組を丸ごと録画する全録モデルだ。地上波や衛星放送の録画予約忘れなどを防ぎ、時間に関係なく好きな番組が見られる。全録モデルはTVS REGZAが他社に先駆けて発売した「タイムシフトマシン」が市場をけん引してきた。
〝過去番組表〟という今までにない提案は、利用者から評判が良いという。録画を忘れないためいつでも好きな番組を楽しめる。レグザはテレビにもタイムシフトマシン機能を付けているが、レコーダーはさらに高機能化している。さらに全録モデルはパナソニックも展開しているほか、ヤマダデンキが独占販売する船井電機も提案している。
全録まで必要がなくても好きな番組を自動で録画してほしいという要望も多い。全録モデルは単価も高く予算に合わない人も出てくるため、消費者ニーズと予算感が合う製品も出ている。ソニーやシャープはドラマを丸ごと録画する機能を前面に出す。各社とも気になる番組やジャンルで自動録画する機能を持つモデルを用意しているため、膨大な番組から自分の興味のある新たな番組を簡単に見つけることもできる。
最近はインターネット接続をしてクラウドと連携することで新たな体験ができるようにもなってきた。クラウド連携で、おすすめ番組などをお知らせする製品もある。録画予約の多い番組のランキングや視聴傾向に合わせておすすめ番組を提示する機種が出ているほか、インターネット動画配信サービスのように、おすすめ番組から新たな番組を見つけることも簡単にできる。
「録画しても見る時間がない」という人もいるだろう。こうした声に対しスマートフォンやタブレットに録画番組を転送し外出先で視聴したり、ストリーミングで外出先から録画番組を視聴したりもできる。レグザなどは「時短」再生でき、短時間で番組を再生できるようにもしている。
メーカー各社は4Kテレビとレコーダーのセット購入によるキャッシュバックキャンペーンなど、さまざまな販促支援にも取り組む。今年も4Kテレビとともにレコーダーの良さを改めて伝えていきたいところだ。