2023.01.09 【2023年の業界展望】インターホン工業会・谷口尚史会長、「VISION2025」の活動推進
谷口 会長
昨年は、甚大化する自然災害の脅威に加え、日本経済は国際、物流、物価、為替といった非常に不安定な情勢となり、今年に入ってからも先行きが不透明な状況が続いている。いまだ収束が見通せない新型コロナウイルス感染症など、さまざまな外部要因の影響が顕在化した一年だった。そうした社会環境はわれわれの業界にも多くの影響を与えた。
一方で、昨年における国内の住宅市場は、新型コロナの影響で外出の自粛やテレワークの普及などにより在宅時間が増加した。それに伴い、住宅への関心が高まったことで、リフォーム需要が手堅く推移している。
インターホン工業会では昨年、JIS原案作成団体として国際規格の「IEC 62820-1-1」に整合したビル用インターホンシステムのJIS規格(JIS C 62820-1-1)を制定することができた。
ナースコールシステムでは、安全に配慮したシステムの証しである「GRSN適合登録制度」の運用を開始し、認知度を高めるために広報活動を重点的に行ってきた。GRSN適合登録制度が戸外表示器審査、インターホン自主認定制度に続く、インターホン工業会の三つ目の適合確認事業として、業界の発展と社会への貢献につながるものと期待している。
また、「インターホン・オブ・ザ・イヤー」では、出展製品の確認が十分できるよう完全対面方式で2次審査会を開催した。インターホンの日懸賞キャンペーンでは、コロナ禍の顧客ニーズの把握も行うことができた。劣化診断資格者認定講習会はWeb開催を定着させるなど、オンラインも活用しながら、ハイブリッドで運営してきた。
今年は、時代に沿って中身を改編した工業会の目指すビジョンである「VISION2025」の目標達成に向けた活動を推進していく一年になる。従来推進しているインターホンの高機能化による防災・防犯への貢献とともに、コロナ禍での安全・安心・利便性をより高める活動も訴求していく。
同時に、消防庁から発出の「屋外警報装置等の技術基準ガイドライン」に基づく対応製品を引き続き創出していく。高機能な製品を使うことのメリットをユーザーに丁寧に示すことで、「安全」「安心」「つながり」のある社会の実現に向けてまい進していく。