2023.01.11 【電子部品総合特集】指月電機製作所 足達信章社長 xEV向けフィルムコンを増強

足達 社長

 2023年度は中期経営計画第Ⅱ期(22~24年度)の中間年に当たる。計画達成に向けた施策を完了する年であるとともに、長期経営ビジョンの達成、最終年度の28年度売上高400億円達成に向けた最終準備を開始する年になる。

 22年7月に設置したxEV、産業機器、eパワーの3事業部による市場密着型の運営体制で機能強化、生産性向上、技術革新の推進、生産能力の増強、新製品提案による市場創出、既存商品の付加価値向上などを積極的に進めていく。

 設備投資も23年度、24年度は22年度見込みの16億6000万円を上回る設備投資を行う計画だ。必要な資金調達はいろんな形で検討している。市場の動きに乗り遅れないように量の拡大を本格化させていく。

 xEVは電動化が加速しているため、岡山、秋田の両工場のxEV用フィルムコンデンサーの増強を引き続き行う一方、新拠点を多角的に検討している。23年度の早目に既存工場の増強、新拠点の最終意思決定をするつもりだ。24年度までの需要をカバーする生産能力は既に整えているが、第Ⅲ期中期経営計画(25~28年度)のxEV向けフィルムコンデンサー需要に対応できる仕込みをしていく。投資を継続し、28年度までに21年度末比で2・2倍以上の生産能力を確保する計画だが、状況により前倒しするかもしれない。

 村田製作所さんとの合弁会社での高耐熱フィルムコンデンサーはxEVの補機用の提案段階だが、半導体のSiC化で主機用の引き合いも増えている。第Ⅲ期中期経営計画フェーズで主機用を供給する可能性はある。

 産業機器は21年後半から米国向けを中心に活況が続いている太陽光パワーコンディショナー用フィルムコンデンサーを増強し、需要に応えていく。開発も移した九州工場の生産能力を上げ、22年度上期だけで21年度の8カ月分を出荷した。22年度通期では21年度比1.6倍以上出荷できるとみている。

 eパワーは半導体向け瞬低補償装置が25年の引き合いが入り始めるなど非常に活況だ。EVリユース電池を用いた電力回生インバーター装置を試作し、工場内の工作機械や搬送機などに取り付け実証実験している。環境・省エネに貢献できる商品として期待できる。23年度から販売を始める。